カルチャー
2019年の悪質商法を振り返る

「花粉を水に変えるマスク」「豊胸術」「ダイエットサプリ」今年、消費者を“ダマした”悪質商品

2019/12/27 10:00
平林有里子(ひらばやし・ゆりこ)

近年、美容や健康に関する真偽不明な情報がネットに跋扈している。「痩せる」「胸が大きくなる」「不調が治る」といった“謳い文句”につられサプリや整形に手を出したら、体に害が及んだというケースも少なくない。私たちの身近にあるそれら「悪質商品」から、2019年に問題となった事例について消費生活専門相談員・平林有里子氏が解説する。

 お住いの自治体にある「消費生活センター」をご訪問されたことはありますか? 私は、瀬戸内の島にある消費生活相談窓口の相談員になって10年ほどの、消費生活専門相談員です。所属を離れ個人的な意見として、今回お伝えさせてください。

「花粉を水に変える」「貼るだけで痩せる」そんな魔法はない

「花粉を水に変えるマスク ハイドロ銀チタンマスク 花粉ピーク対策」

 今年7月に消費者庁が「光触媒を使用したマスク」の販売業者4社を景品表示法違反で行政処分しました。昨年、歌舞伎役者の市川海老蔵氏を起用し大々的に宣伝され、ネットなどで猛批判が起こっていた、あの「花粉を水に変える」マスク等です。

 「花粉を水に変えるマスク」と謳うマスクには、「花粉が水に変わるわけないだろ!」というツッコミが沸き起こるとともに、タレント・荻野目慶子さんの再婚相手でもある販売業者代表の医師が、過去に指定医資格停止処分を受けていたことが発掘されるなど、なかなか大変な話になっていました。

 ただ、勘違いされがちですが、消費者庁の行政処分資料を見ると「花粉を水に変える」効果がないことが問題にされたのではなく、「商品に含まれる光触媒によって花粉由来アレルギー原因物質が体内に吸入されることを防ぐ」かのように消費者を誤認させたことが問題とされたのです。つまり、実際は表示の裏付けとなる合理的な根拠がなかった。

 今年を振り返るだけでも、「花粉を水に変えるマスク」だけでなく、「貼るだけで痩せるパッチ」「白髪が黒髪になるサプリ」「着るだけでメタボ腹をたたき割る加圧トレーニングシャツ」等、願望につけ込む効果のない商品を販売した業者が消費者庁により処分されています。ネット通販市場の急速な拡大により、消費者の願望を叶えるかのような広告が跋扈していますが、花粉を水に変えたり、パッチを貼るだけで痩せる魔法は発明されてはいません。願望につけ込む悪質商品にはご注意ください。

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