2019年の悪質商法を振り返る

「花粉を水に変えるマスク」「豊胸術」「ダイエットサプリ」今年、消費者を“ダマした”悪質商品

2019/12/27 10:00
平林有里子(ひらばやし・ゆりこ)

厚労省お墨付きでも安全かわからない

 この「GMP認定制度」というものは、健康食品市場で用いられている“一定の品質を担保する”制度です。厚生労働省も「GMPマークを目印に健康食品を選びましょう」とお墨付きを与えた制度なのですが、そのお墨付きのある同社製造工場からは、過去に医薬品成分が入った違法なサプリを製造していたことがわかっています。それでも、いまだGMPマークは剥奪されていません。これもまた怖い話ですよね。

 その後、「販売実績の1000分の1の件数」事故情報が報告されている「ケトジェンヌ」の事故原因は明らかになっておらず、販売業者も製造業者も自主回収などの対応を行っていません。

消費者ホットラインを知ってください

 今年は「桜を見る会」問題の影響で、消費者被害に注目が集まったように思います。首相からの招待状を勧誘に利用して全財産を奪うなど、おじいちゃん、おばあちゃんを悲惨な目に遭わせた「ジャパンライフ」は、政治家や官僚、マスコミ、芸能人らと繋がりながら、おじいちゃん、おばあちゃんの健康不安や孤独につけ込み、マッサージやエステで信用させて言葉巧みに財産を奪い、4度という異例の行政処分を受けても事業を継続し、結局破綻しました。ただ、同様の手口の悪質業者は、ほかにもまだまだいます。

 「健康、金、孤独」という3Kと呼ばれる高齢者が抱える不安に悪質業者はつけ込みます。でも、おばあちゃんでなくても不安はないですか? 「健康、金、孤独」のこと。

 そんな不安につけ込む悪質商法の被害に遭ったとき、遭いそうになったときは、自治体の消費生活センターにご相談、情報提供ください。消費生活センターには消費者庁のような行政処分を行う権限はありませんが、そこに寄せられた皆様の声は、行政を動かす力となります。

■消費者ホットライン=電話番号188

平林有里子(ひらばやし・ゆりこ)
消費生活専門相談員。消費生活アドバイザー。

 

最終更新:2019/12/27 10:00
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