カルチャー
インタビュー【前編】

ジャニーズのジェンダー観は、なぜ「遅れている」のか? アイドルたちの言動が映し出すモノ

2019/10/19 16:00
サイゾーウーマン編集部(@cyzowoman

 「ジャニーズ事務所は、アイドルにジェンダー教育をしてほしい」――ここ最近、Twitter上を中心に、そんなジャニーズファンの声が散見されているのをご存じだろうか。大きなきっかけとなったのは、6月27日に放送されたラジオ番組『ジャニーズWEST桐山照史と中間淳太のレコメン!』(文化放送)内で、桐山と中間が、「女性蔑視」と取れる発言をしたことだった。

 同番組には、リスナーから寄せられた、気になる言動をする周囲の男子や女子を紹介する『オテンキのりPresents! バカ男とタワ女』というコーナーがあるのだが、のりが「すぐに『女性だから私は不利』とかいう割に、得意なものが一つもない女子」という例を挙げると、中間は「これはでも多いよなあ!」、一方の桐山も「『女性差別をなくそう』とかね」と反応。中間は加えて「それ(女性差別)さあ、だったら映画館のレディースデーなくせって思うしさ。学校の体力測定とかも、男子と同じ条件でやれって思わへん? なんか都合がいいわ」と口にし、さらに、「可愛い子はええで」と続けたのだ。同放送には「女性差別問題をまったくわかっていない」「レディースデーをなくせとか、的外れすぎる」「しかも『可愛い子はいい』って、容姿差別まで……」と怒りと失望の声が噴出し、「ジェンダー教育を!」との声が高まったのである。

 その一方で、ネット上のファンの反応を見ていると、今回の件に限らず、アイドルたちのジェンダー観に、「モヤモヤしたことがある」と語る者は少なくない。“男らしさ”“女らしさ”といった「ジェンダー・ステレオタイプ」を感じたり、女性を過度に性的な視点で捉える言動などがそれにあたり、「ジャニーズアイドルのジェンダー観は遅れている」と、ズバリ指摘する人も。なぜジャニーズのジェンダー観は時代に取り残されているのか――今回、『「アイドル」のメディア史 『明星』とヤングの70年代』(森話社)の著者である帝京大学 文学部 社会学科 助教の田島悠来氏に話をお聞きした。

アイドルが「デートプランを考える」企画に違和感

――普段、「ジャニーズアイドルのジェンダー観は遅れている」と実感されることはありますか。

田島悠来氏(以下、田島) アイドル誌を読んでいると、「基本的に違和感を覚える」レベルでありますね。「このアイドルが」「この発言が」というより、全体的に違和感がある。それは、企画の構造自体にも見て取れます。女性ファンからのリクエストを基に、ジャニーズアイドルがデートプランを考える企画がよくありますが、それ自体「男性がリードし、女性がそれに付き従う」を前提としているように思うのです。そしてアイドルも、「俺について来い」といったデートプランを語る……。そういう企画はジェンダー的には好ましいと思わないのですが、ファンには人気ですよね。

――「恋愛観や好みの女性像」を聞く企画にも、アイドル自身のジェンダー観がにじみ出やすいですよね。結果として、ステレオタイプな女性らしさを押し付けてしまうケースも散見されます。

田島 そうですね。そもそもこの質問自体が、セクシャルハラスメントではないかと思うのですが。最近では、海外のアスリートに対し、記者が「好みのタイプ」を聞いて回答を拒否され、ネット上で記者が批判されるといった例がありますよね。ただアイドルは、疑似恋愛の対象として、「お仕事」で回答している。ここに、ジャニーズアイドルのジェンダー観が「遅れている」と言われる原因があると感じています。

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