インタビュー【前編】

ADHD女性が抱える“しんどさ”の正体――精神科医が語る「女性は家事が得意」の重圧

『わたし、ADHDガール。恋と仕事に困ってます。』(東洋館出版社)

 近年、ネット上で、「ADHD(注意欠如多動症)」という言葉を目にすることが増えた。タレントの小島慶子やSEKAI NO OWARIの深瀬慧など、有名人のカミングアウトの影響もあってか、ADHDの症状に注目が集まっているようだ。ADHDは、3つの特性がある発達障害――その特性とは、1つ目は、じっとしていられなかったり、次から次へ仕事に手を出したりするような「多動性」、2つ目は、いらないものを買ってしまったり、思いつきで行動してしまうのが抑えられない「衝動性」、3つ目は忘れ物や仕事でのケアレスミスを多発する「不注意」だという。大人のADHDの場合、こうした症状によって、仕事や人間関係でのトラブルを引き起こすことも珍しくなく、生きづらさを抱えている人も多いようだ。

 今回、ADHDの女性が、仕事や恋愛でぶつかる壁に、どう対処をしていけばよいのかを書いた『わたし、ADHDガール。恋と仕事で困ってます。』(東洋館出版社)の著者である、司馬クリニック院長の司馬理英子先生に取材を行った。司馬先生に、ADHDの症状や患者を取り巻く状況について見解をうかがったところ、“女性だからこそ”ADHDによる苦しみが強まる社会的背景が浮き彫りになった。

ほかの人が「苦労せずできること」ができない

――『わたし、ADHDガール。恋と仕事に困ってます。』では、発達障害の1つであるADHD女性=ADHDガールに起こりがちなトラブルの対処法について、漫画を交えてわかりやすく説明してあります。ADHDに関する入門編ともいえる内容ですが、この本の読者層はどういった方なのでしょうか。

司馬理英子先生(以下、司馬) 「落ち着きがない」「片付けられない」「衝動買いがやめられない」など、ネットでADHDの症状を知って、「自分は、もしかしたらADHDかも」と悩んで本を手にする方が多いようです。本を読んで、クリニックに来院される方もいます。実際に通院中の方や、「子どものために買いました」という親御さんからの反響もありましたね。

――世間では、以前に比べてADHDの情報が浸透してきたように思います。 

司馬 テレビなどで取り上げられるようになったので、ADHDは、今や多くの人が知るようになった障害だと思います。しょっちゅう遅刻をする、締め切りが守れない、計画性がないといった生活態度から、「あなた、ADHDなんじゃないの?」と言われる人が増えたのではないでしょうか。というのも、ADHDは、行動などから症状が目に見えるので、素人にも気づかれやすい。そのため、症状が目に見えにくい心の病よりも、人に指摘されてショックを受け、大変な思いをしている人も多いかもしれません。

――ADHDの人にとって、一番顕著な悩みとなる特性はなんでしょうか?

司馬 「不注意」の特性により、「片付けができない」と悩む方が多いですね。使ったものを元の場所に戻さないため、部屋が片付かない。鍵や財布を、いつも探し回ったりしています。ADHDの人は、視野が狭いという特徴があり、注意を払うことが苦手なのです。片付けは、いろいろなものをコンスタントに整えなければいけないので難しいです。待ち合わせや締め切りを守れないのも「不注意」の特性ではありますが、こういった時間に関することの方が、片付けよりはまだケアがしやすい面はあるのではないでしょうか。

 それから、ADHDの人が「つらい」と感じてしまうのは、ほかの人にとっては苦労せずできる当たり前のことができないことです。例えば、シンクに溜まった皿を片付けるということに、普通はいちいちうんざりしないのに、ADHDの人は一つひとつの出来事に感情で反応するため、疲れてしまう面があるのです。

わたし、ADHDガール。恋と仕事で困ってます。
「女として」という目が、つらさを倍増させてゆく……

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