コラム
“中学受験”に見る親と子の姿

学力優秀な息子が、名門私立に落ちた理由――中学受験の“都市伝説”に翻弄された母の姿

2018/12/22 16:00

 ある名門私立中学では、体育実技を試験に取り入れている。同校を志望している司君の母・京子さんは、ママ友ランチで、「実技にもいろいろあるけど、例えば『キャッチボール』の場合、受験生何人かに1人の割合で、先生が強くボールを投げて、その子の反応を見るらしい」という話を聞きつけた。

 あくまで“都市伝説”なので真偽のほどは不明だが、京子さんは「うちの子は大丈夫か?」と不安で頭がいっぱいになってしまう。そんな時、別のママ友に、こう耳打ちされたそうだ。

「お宅と同じ中学を狙っているっていう潤君は、実技対策でAスポーツクラブに通っているんだって」

 焦った京子さんは、無理やり司君を、体育実技対策専門のコーチに付けるという行動に出た。哀しいかな、運動嫌いのインドア派である司君にとって、そのレッスンは“地獄の時間”になったようで、特にマットと跳び箱は「見るのも嫌」というほどのトラウマを生んだらしい。

 これが直接の原因ではないとは思うが、司君は本番では不合格となった。「学力的には問題ないので、体育実技の特訓によるトラウマが、受験に対して弱気な態度を引き出したのでは?」とは塾の分析である。そもそも、その中学は体育専門学校ではないので特訓は必要なく、もっと言えば、実技のできる/できないは合否の基準ではないのだ。

 一方、潤君は順当に合格した。聞けば、潤君がスポーツクラブに通いながら受験勉強をしていたことは事実だったそうだが、それは幼少期からやっているトランポリンを“息抜き”としてやり続けていただけで、受験対策ではなかったという。「潤君には負けられない」という京子さんの勝手なライバル意識が誤解を生み、結果、司君に負担を強いたケースだろう。

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