コラム
【連載】彼女が婚外恋愛に走った理由

「65歳になったら結婚しよう」お嬢様育ちの50代主婦を支える“婚外恋愛”相手との約束

2018/12/15 16:00

 それ以来10年以上、月に一度、彼とのデートを続けているという裕里香さん。だが「セックスをするのは年に一度」と決めているという。

「ラブホテルに行くのはどうしても恥ずかしくて……年に一度、2人が出会った日の前後の平日に、シティホテルのデイユースを彼が予約してくれます。彼も私もその日は有給休暇を取って、1日中のんびりするんです。1年間、その日のために私たちは頑張っています」

 彼の子どもは結婚して実家を巣立ち、裕里香さんの子どももすでに立派に成人している。さらに今年の夏、2人目の子どもが家を出たことにより、現在は、ご主人と2人きりの生活を送っているそうだ。

「ちょうど下の子が一人暮らしを始めたタイミングで、彼からのプロポーズがありました。彼は60歳で定年退職をしてから身辺整理をし、65歳までには身軽になって私を迎えたいと言っています」

 そんな裕里香さんの「年に一度」の逢瀬の日が来月に迫っているという。先月からパーソナルトレーニングに入会し、1年ぶりに大好きな彼に抱かれるために、体づくりをしているのだ。

「今はまだ既婚者なので、こんなことを言ってはいけないのでしょうけれど……私は今、彼との約束を希望に毎日生きています」

 将来の約束をしているとはいえ、口約束である。その約束は果たされないかもしれない。もしも傷つく結果となってしまった場合はどう考えているのか……意地悪な質問だが、裕里香さんに聞いてみた。

「約束どおりにいくことを望んでいますけど、こればかりはその時期が来るまでわかりませんね……ただ、彼と一緒になれるという将来の可能性があるっていうだけで、今は幸せを感じられるから、それでいいんですよ」

 そう打ち明けながら微笑む裕里香さんの笑顔は、まるで10代の少女のようにまぶしく感じた。その約束が無事叶うまで、あとどれくらいかかるのだろうか。
(文・イラスト/いしいのりえ)

最終更新:2018/12/15 16:00
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