カルチャー
インタビュー

「セックスレスだけど子どもが欲しい」は間違いなのか? 不妊治療専門病院の医師に聞く

2018/12/08 16:40

――「男女の生活と意識に関する調査」では、47.2%の夫婦がセックスレスと回答したそうです。

小山寿美江氏(以下、小山) 当院に来院される不妊治療希望のカップルには、20代、30代の方も多いのですが、月の性交回数は1~2回という場合が多く、「少ない」と感じます。不妊の原因はセックスをあまりしていないからで、もっと回数を増やせば妊娠するのではないかと思うことがよくあります。

――よく「健康な夫婦が、避妊せずに普通の夫婦生活を営んでも、1年間妊娠しない状態」を不妊症と定義すると聞きますが、月1~2回は“普通じゃない”ということでしょうか?

小山 そのあたりは曖昧にされており、実際に「月何回」という基準はないんです。ただ私は、週1~2回が「普通」なのかなと思っています。なので、妊娠希望のカップルが月1~2回というのは、やはりかなり少ない印象ですね。当院は不妊治療専門病院なので、一般的な産科を受診されているカップルの月の性交回数は知ってみたいとは思います。もし、性交回数が多いのであれば、やはりセックス回数の少なさが不妊症につながっているということなので。

――セックスの回数が少ない、もしくはセックスレスになっている夫婦が多い理由は何だと思いますか?

小山 共働きのカップルが増え、ご主人と奥さんそれぞれの都合で、「セックスのタイミングが合わない」のが一番の理由ではないでしょうか。例えば、ご主人が平日も夜遅くまで仕事をしなければいけなかったり、せっかくの土日も接待でゴルフに行かなくてはならず、なかなかタイミングを合わせられない……といった話はよく耳にしますね。また、単純に共働きで疲れてしまってセックスができないという理由もあると思います。なぜタイミングを合わせてくれないのかと、カップル間で喧嘩になり、よりセックスレスになることもあるのではないでしょうか。それから、昔と違って、いろいろな楽しみがありますし、趣味の選択肢も広がる中で、セックスから関心が遠のいてしまったことも考えられます。

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