カルチャー
インタビュー

「セックスしない夫婦は今後も増え続ける」精神科医・阿部輝夫氏が語る日本の“セックスレス問題”

2018/11/29 19:30

 近年、カラダの関係がない“セックスレス夫婦”が増え続けているという。日本性科学会が1994年に定義したところによると、セックスレスとは「特別な事情がないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタクト(性的なふれあい)が1カ月以上ないこと」を指すが、一般社団法人日本家族計画協会が2017年に発表した「男女の生活と意識に関する調査」において、調査対象の20~69歳で「セックスレス」と回答した夫婦は、過去最高の47.2%だったとのこと。「約半数の夫婦がセックスレス」という現況は、多くのメディアによってセンセーショナルに取り上げられ、「セックスをしない日本人」のイメージがより広まった印象だ。

 今回、1991年に初めて「セックスレス」という言葉を提唱し、長年、セックスレスに悩む人たちの治療にあたってきた、あべメンタルクリニック院長の阿部輝夫氏に取材を行った。阿部氏の目に、セックスレス夫婦の増加はどう映るのか。セックスレス治療に訪れる患者の傾向をお聞きするとともに、世間がセックスレス問題をどう受け止めているかについての見解を伺った。

27年前には想定できなかった事態

――「日本人の約半数の夫婦がセックスレス」という調査結果について、先生はどのように思われますか?

阿部輝夫先生(以下、阿部) 悲しいですね。セックスレスの定義に沿った調査のようですから、半数近い夫婦が、性器的な結合も然ることながら、セクシャル・コンタクトすらないというのは、どうなってしまったんだろうと思います。私がセックスレスを提唱した91年当時には想定できなかったようなことが、現実に起きていると感じます。

――阿部先生は長年、セックスレス治療に取り組まれてきましたが、来院する患者さんにはどのような方が多いのでしょうか。

阿部 やはり「子づくりのためにセックスを取り戻したい」という30代後半の夫婦からの相談は多いですね。また、40代の妻が「このままセックスなしに人生を終えるのはイヤだ」と夫を連れてくるパターン。夫側はマスターベーションで十分だと思っているものの、妻は「女性として見られたい」という思いから、子づくりのためではない、男女としての夫婦のセックスを求めている……というケースです。

 それから、性嫌悪症の男性。性嫌悪症とは、性行為はもちろん、性的な事柄そのものに嫌悪感を抱くことで、『セックスレスの精神医学』(筑摩書房、2004年)にも急増していると書いたのですが、こうした相談は変わらずあります。私自身、近年は広報活動を控えていますが、昔の本やネット記事などを参考に、性嫌悪症だと自己診断して、当院に来られる男性は依然として多いです。

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