カルチャー
緊急寄稿

ディズニーランド「パワハラ」「過重労働」裁判に見る、オリエンタルランドの「4つの地雷」

2018/11/15 12:00

 訴訟大国アメリカの本家ディズニー社と違って、日本のオリエンタルランドが提訴されることは、非常に珍しい。米ディズニー社はいつも何かしらの訴訟を抱えているので、今回のように、裁判一件がこれほど注目されることはないのだ。

今回のディズニー訴訟は、世間から好奇の目にさらされている気もする。筆者がSNSで裁判について触れたところ「ディズニーの裁判? なんか楽しそう」というコメントが寄せられ、なぜか知らない人から3つの「いいね!」をもらった。その内容を知らない人の目には、どうやらディズニーの裁判は“楽しそう”に見えるらしい。

しかし、実態はオリエンタルランドの悪しき社風と隠蔽体質が浮き彫りになった。筆者の目に特にダメと映った4つのポイントについて解説したい。

1.「バックステージを見せない」という美学が隠蔽体質を生んだ

 ミッキーの生みの親であり、ディズニーランドの創設者、ウォルト・ディズニー氏は、生前「バックステージをゲストに見せてはならない」とスタッフに強く指示していたという。客(ゲスト)に見えるところを「オンステージ」、見えないところを「バックステージ」と呼んで明確に区別し、ショービジネスの世界では「バックステージを客に見せない」ことが美学だと説いたのである。これはウォルトの経営哲学「ディズニー・フィロソフィー」の一項目にもなっている。

 その哲学は、現在のオリエンタルランドにも引き継がれているが、今回の裁判では、それがスタッフの過重労働やパワハラの隠れ蓑に使っているのではないかと感じた。原告の女性2人が、「夢を壊すのではないかと訴訟を躊躇した」などと発言していたのも、まさに「バックステージを見せない」ことをこれまで徹底してきたからであろう。都合の悪いことを隠す隠蔽体質では未来はない(バブル崩壊後の1990年代から2000年代にかけて、大企業の倒産が相次いだが、倒産した名門企業はどこも隠蔽体質であった)。

なお、こうした隠蔽体質は、ディズニー全体ではなく、オリエンタルランド独特のもののようだ。事実、アメリカのディズニーではストライキが何回か起こり、それが報道されている。隠蔽体質は日本で独自に進化したガラパゴスなのではないだろうか。

2.守るのは“夢の国”よりも“ディズニー・プライド”?

 裁判と原告側の記者会見に出て、筆者が感じたのは、“夢の国”を壊さないという大義名分のもと、会社の名誉を守る“名誉欲”が強いオリエンタルランドの一面である。

 同社は、請求棄却、つまり原告の主張を正当な申し立てと見なさず、退けることを求めている。“夢の国”のイメージを守りたいという気持ちなのだろうが、キャストである原告への誠意のなさをも感じてしまう。実際に彼らが守りたいのは会社の名誉、名づけて“ディズニー・プライド”なのではないか。

 今、“会いに行けるアイドル”やインスタグラマーなどが人気なのは、親しみやすさ、同じ世界の人と感じられることなどが人気の要因であろう。対して、裁判で浮き彫りになったオリエンタルランドのプライドの高さは、人を遠ざけるのではないだろうか。

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