緊急寄稿

ディズニーランド「パワハラ」「過重労働」裁判に見る、オリエンタルランドの「4つの地雷」

2018/11/15 12:00
東京ディズニーランド公式サイトより

 “夢の国”として知られ、多くのファンに愛され続けている東京ディズニーランドに、前代未聞の裁判が起こっている。キャラクターの着ぐるみを着て、ショーやパレードなどに出演していた女性契約社員A氏とB氏が、過重労働やパワーハラスメントで体調を崩したのは、運営会社のオリエンタルランドが安全配慮義務を怠ったためだとして、同社に損害賠償を求めた訴訟。その第1回口頭弁論が、11月13日に千葉地裁で開かれたのだ。

 A氏は、10~30キロの着ぐるみを着用して働く中、2017年1月に、神経などを圧迫される「胸郭出口症候群」を発症。しかし当初、会社側は労災申請を渋り、休業補償もないとの対応だったそうだ。その後、労働組合「なのはなユニオン」による交渉の結果、会社は労災申請をし、同8月に労災認定を受けたという。一方でB氏は、ゲストとのグリーティング中に薬指を反対側に折られて負傷。労災申請について上司に相談したところ、「君は心が弱い」という対応を受け、また役の変更の申し出にも「わがままには対応できない」と言われたそうだ。さらに「楽屋で喘息が出る」と伝えた際は、「30歳以上のババアはいらねえんだよ。辞めちまえ」「病気なのか。それなら死んじまえ」などの暴言を吐かれるパワハラを受けたとのこと。なおオリエンタルランド側は、請求棄却を求めている。

 名実ともに国民的テーマパークのディズニーランドだけに、世間はこの裁判を大きな関心を持って受け止めているようだが、『ディズニーの労働問題 「夢と魔法の王国」の光と影』(三恵社)著者であり、東京経営短期大学専門講師も務めるジャーナリスト・中島恵氏は、この裁判をどう見るのか? 今回、オリエンタルランドの姿勢に懐疑を抱く中島氏の緊急寄稿を掲載する。

ディズニーの労働問題 「夢と魔法の王国」の光と影
この際、一気に膿を吐き出すべきじゃない?
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