BTS(防弾少年団)に秋元康が歌詞提供し、日韓のファンが激怒

 今年5月にリリースしたアルバム『LOVE YOURSELF 轉‘Tear’』と、今年8月にリリースしたアルバム『LOVE YOURSELF 結‘Answer’』が2作連続でアメリカのビルボードアルバムチャート1位を獲得したBTS(防弾少年団)。

 これらにより世界的な人気を完全に確立したBTS(防弾少年団)だが、11月にリリースされる予定の日本リリースのトリプルA面シングル「Bird/FAKE LOVE/Airplane pt.2」をめぐって炎上が起きている。

 「FAKE LOVE」と「Airplane pt.2」は『LOVE YOURSELF 轉‘Tear’』にもおさめられている楽曲で、シングルには両曲が日本語で歌われたバージョンが収録される。そして、現在問題となっているのが「Bird」。この曲は日本オリジナル楽曲なのだが、作詞を秋元康氏が手がけており、それに対しARMY(BTSのファンの総称)がSNSを通じ、次々に怒りを表明し始めたのだ。

 「防弾少年団」というグループ名には「10代、20代に向けられる抑圧や偏見を止め、自身たちの音楽を守り抜く」という意味合いが込められており、歌詞の内容も「ボーイミーツガール」なラブソングなどのいわゆるアイドル楽曲の枠におさまらず、メンタルヘルスの問題や、貧困・雇用など、まさに若者世代が直面している社会問題に踏み込むこともある。

 また、BTSはもともとアイドルとしてではなく、ヒップホップグループのプロジェクトとして始まっているため、作詞や作曲などの楽曲の制作にメンバーも積極的に関わっている。BTSのメンバーは現在20代前半から中盤だが、若者が自分たちの言葉で、自分たちの世代の悩みや怒りを吐露するからこそリアルな音楽として響き、リスナーの心を打つものになっていたという側面がある。

 それに対して、日本における秋元康氏のイメージは「業界のトップに長く立ち続ける大物プロデューサー」で、BTSが標榜してきたものとズレを感じたファンも多かったのだろう。

 シングル「Bird/FAKE LOVE/Airplane pt.2」の情報は9月13日の朝に解禁されたのだが、この話が韓国に飛び火すると問題はさらに拡大した。

 韓国のファンと思われる人物が「秋元康は安倍政権の右翼的政策に賛同する作詞家」といった点を指摘したうえで、このコラボレーションを続行することはBTSのアーティストイメージを損なう可能性があるとして中止を訴えた文書を作成。その文書の画像がファンによって拡散された。

 BTSの日本オフィシャルツイッターアカウントには、多くのフォロワーからその文書の画像を添付したうえで、今回の企画への異議を唱えるリプライが寄せられている。

 リプライのなかには、日韓両国の歴史や政治的な問題を指摘する投稿もあるのだが、それに対して反発する日本側のファンも現れ始めた。

 BTSの音楽を通して、せっかく日本と韓国の人々がつながり合えたのに、このような対立が生まれてしまった現状はあまりに悲しい。隣国同士の軋轢を深めるような状況は、メンバーもスタッフも秋元氏も、誰も望んでいないだろう。

 2018年9月13日付ニュースサイト「日刊スポーツ」によれば、このコラボレーションはBTSのプロデューサーであるパン・シヒョク氏からの働きかけによるもので、パン氏は<秋元氏の世界観が好きだから依頼をした>と語っているという。そうなのであれば、BTSの世界観を崩すような楽曲にはならない可能性も高いのではないだろうか。

 まだ「Bird」は音源が解禁されておらず、歌詞も公開されていないため、どんな内容の曲になるのかはわからない。BTSファンの危惧が杞憂に終わり、もう一度、ファン同士の絆を取り戻せるような素晴らしい楽曲であることを切に願う。

(倉野尾 実)

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