上智大学法学部・三浦まり教授インタビュー

女性議員はいなくてもいい!? “政治家の質向上”に必要なことを専門家に聞いた

miuramari
『日本の女性議員 どうすれば増えるのか』(朝日選書)

 日本でも女性の社会進出が当たり前になってきたとはいえ、政治の世界ではいまだに男性中心だ。IPU(列国議会同盟)のデータによれば、2018 年5月時点で日本の女性議員の割合は10.1%。これは世界193カ国中160位で、先進国の中でも特に低い数値となっている。

 では、なぜ日本は女性議員が少ないのか? 女性議員が少ないことで起こるデメリット、女性議員が増えることによるメリット、さらに具体的にどのようにすれば女性議員は増えていくのかについて、編著に『日本の女性議員 どうすれば増えるのか』(朝日選書)がある、上智大学法学部教授の三浦まり氏に詳しい話を聞いた。

■根強く残る「性別役割分業」

 先進国の中でも特に日本は女性議員数が少ない。その要因のひとつとして、「性別役割分業」が大きく影響していると、三浦氏は指摘する。

「『男は外での仕事』『女性は家庭の仕事』を担うべきとする意識が諸外国に比べて根強い日本では、男の仕事とされる政治に、女性がそもそも参加しづらい背景があります。さらに選挙で当選するには、家族の支援も重要となりますが、女性の場合、夫の協力もあまり期待できないため、立候補するにしてもハードルが高いのです」

 また、政治家という職業、特に選挙が頻繁にある衆議院議員の場合は、長時間労働でありながら休日がほとんどない。しかもスケジュールは流動的なので、家族に対する責任と両立させることが非常に難しい。そのため三浦氏によれば、実際に女性政治家は男性政治家と比べて独身者や子どものいない割合が多く、家族に頼れない厳しい状況にあるのが現状なのだという。

 文化的な要因としても、「政治は男性の仕事」という考え方が、男女問わず、日本国民の間で根強いことも大きい。さらに政党が公認候補をほとんど男性だけに決定していることも、女性が擁立されにくい背景となっている。妊娠・出産する女性議員への有権者からのバッシングに対して、政党幹部が守ることもあまりない。構造的にも女性議員が増えにくいのが現状なのだ。

■女性議員が少ないことで、女性のための政策が生まれづらい弊害が

 女性議員が少ない現状、どのような弊害が生じているのだろうか? まずは、妊娠や育児に関する問題解決が後回しになっていると、三浦氏は言う。

「一般に女性が関心を持つ分野は、外交や防衛、経済対策などに比べて、政治的に重要ではないと思われがちで、政策に反映されないことが多くあります。たとえば、不妊治療や待機児童、セクハラ問題などは、これまで政治的な場での議論がなかなか進まず、解決が先延ばしになってきました。女性と男性で物の見方や優先順位が異なる政策をめぐっては、現状では男性側の主張が通ってしまいがち。しかし、女性議員が増えれば、ゆがんだ構造は是正され、バランスの取れた議論が生まれるはずです」

 現状では、少数の女性議員が世の中の女性の声を代弁する形になっているが、女性議員が増加し、男女の数が均等になってくると、女性の「代弁」という役割ではなく、個々人の特性が生かされた動きができるようになるとも、三浦氏は語る。

 “女性議員”から個人としての議員へ――そうした政治の変化に伴い、社会においても固定的な男女役割が柔軟に変わっていくことが期待できる上、女性議員が増えれば、男性議員間の競争もより激しくなり、政治家の質が上がると予想されるのだ。

その日はいつ来るのか?

しぃちゃん

サイゾーウーマンのSNS

  • 「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

関連リンク

女性議員はいなくてもいい!? “政治家の質向上”に必要なことを専門家に聞いたのページです。サイゾーウーマンジャニーズ(SMAPTOKIOKinKi KidsV6NEWS関ジャニ∞KAT-TUNHey!Say!JUMPKis-My-Ft2Sexy Zone)の最新ニュースのほか、ここでしか読めない裏芸能ゴシップなどをお届けします。女性誌レビューコラムインタビューなども充実! 政治インタビューのニュースならサイゾーウーマンへ!