被害者の体験談

『奥様は、取り扱い注意』より怖い!? 監禁された娘が語る「私を助けた意外な人物」

2017/10/25 22:30
kankinjoshi
アイリさん(仮名・20歳)

 綾瀬はるか主演の連続ドラマ『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)。綾瀬演じる主人公・伊佐山菜美は、特殊工作員という過去を持つ専業主婦で、同じセレブ住宅街に暮らす、主婦友の大原優里(広末涼子)や佐藤京子(本田翼)とともに、主婦の間で起きるさまざまなトラブルを解決していくストーリーだ。

 10月25日放送の第4話では、菜美が優里、京子と一緒に、町内の豪邸に住む主婦・美佐子(星野真里)が開く「読書会」に参加する。美佐子の息子・悠斗に会った菜美は、夫の勇輝(西島秀俊)に「子どもが欲しい」と言おうとするが、はぐらかされてしまう。数日後、悠斗が誘拐される事件が発生。犯人は翌日までに1億円支払うよう要求、「警察に通報したら息子を殺す」と脅迫してきたところを、菜美が助けようとする……という展開だ。

 誘拐ではなかったが、監禁され、犯人から脅迫を受けるというトラブルに巻き込まれた女性、アイリさん(仮名・20歳)。家族の力によって果たされた脱出劇について語ってくれた。

アイリさんは高校生の時、家の事情からキャバクラで働いていた。当時、彼女の住む地域には、18歳未満を雇う違法キャバクラがあったという。

「私が16歳の時に、父が病気で他界しました。私は三姉妹の長女なので、家計を助けようとアルバイトを始めたのですが、母は心労から徐々にアルコールに溺れるようになったのです」

 家に帰るといつも酒を飲んでいる母を、初めは仕方ないと思った。だが次第に嫌気が差し、友人の家を泊まり歩く生活を送るようになる。そんな時、街で声を掛けられたのが、キャバクラのスカウトだったという。

「高校生の私でも働けて、寮にも入れると言われました。すぐ働くことになり、学校へも行かなくなったのです。そんな時、母から『再婚したので、家に戻ってこい』と連絡がありました。再婚相手を聞くと、なんとヤクザだと言うんです。母のアルコール依存はマシになっていたようですが、見ず知らずで、しかもヤクザの義父と暮らしたくなかったので、帰りませんでした」

 キャバクラの寮に入り、週5日働くようになったアイリさん。しかし数カ月働いた頃、店に対して徐々に不信感を募らせるようになったという。

「給料が遅れていたんです。店長に聞いてもうまくはぐらかされ、1カ月で数万円しかもらえないこともありました。50万円ほどの未払いがあったと思います。このまま働いてもらちが明かないと思い、店長に退店を告げました」

 アイリさんの言葉を聞いて店長がとったのは、思いがけない行動だった。

「『今辞めたら、給料は払わない』と脅され、寮に監禁されました。携帯電話を奪われ、従業員に交代で寮の出入り口を見張られました。暴力などはありませんでしたが、外出はおろか、出勤もさせてもらえません。『もし通報すれば、未成年のお前たちも捕まるぞ』『店のバックには、ヤクザが付いているから逃げられない』と脅され、警察にも行けそうにありませんでした。私以外の未成年のキャストにも、未払いがあったようです。3日後、隙を見て逃げ出したのですが、すぐに見つかって連れ戻されました」

 アイリさんを助けたのは、意外な人物だった。

「連れ戻された時、偶然近くに住んでいた同級生が見ていて、実家に連絡してくれたそうです。それを聞いた義父が『話をつけてやる』と、店に乗り込んできました。後から聞いたところでは、義父は、キャバクラや飲食店や不動産業を仕切るのは『企業ヤクザ』だと言っていました。義父のような本物のヤクザ(暴力団の構成員)は店を持つことができないので、経営は企業ヤクザにやらせるそうです。ヤクザは名刺1枚出すことも脅迫になってしまうので、『相手がケツモチを出してこない限り、こっちも出ることができない』とも言われました。しかし、店長がケツモチの組の名を出したので、義父も出ることができたのです。結局、支払われた給料50万円のうち、20万円は義父のシノギ(収入)になりましたが……」

 現在は1人暮らしをしているアイリさん。実家には時々帰るが、母や義父との仲は良好だという。すでにカタギになったという義父のことを、アイリさんはどう思っているのだろうか?

「ヤクザだった義父が解決してくれたことには感謝しています。義父からは今も『また、未払いトラブルがあったら、いつでも言ってこい』と言われています。義父に頼むとシノギも取られますけどね。今は、変な店では働かないようにしています」
(カワノアユミ)

最終更新:2017/10/25 22:30
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