カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「婦人公論」10月25日号

「婦人公論」読者の不倫への言い訳にも防止策にもなる、「女がセックスしがたるなんて」という自縛

2016/10/17 20:40

 さらに興味深いのは「セックス」の項目。「恋愛にセックスは必要」という質問の答えはバッサリ割れ、「絶対必要」が27%、「少しはあったほうがいい」は39%、「なくてもいい」が28%。「セックス目的で人とお付き合いすることはないけれど、愛情が深まれば、自然と肉体関係になってしまうと思う」(51歳・パート)というように、まず先に「気持ちアリ」と考えている人が多いようです。

 それは「婚外恋愛に対してどんなイメージがありますか?」の回答にもよく表れていて、「理性では、どうにも止めることができない想い」「他人から見たらふしだらでも、とても純粋な恋だと思う」「ただの浮気ではなく濃密な恋愛感情がともなう関係」「いけないことだとわかっていても、『女』の自分がでてしまうこと」など、ピュアな初恋のような気持ちに年増の念がプラスされ、もはやとんでもない危険思想になっているよう。そこには「恋愛は正当化できても、セックスは正当化できない」という、女性特有の心の壁があるのかもしれませんが。

■セックスと恋愛を混合すると厄介

 そんな心の揺れ様は医師によるセックス相談「更年期以降のセックスは、誤解と思い込みを捨てて」にも見受けられます。「更年期に入ってから急に性欲が増し、夫とセックスのない生活に悶々としています。(中略)この年齢でセックスしたいと思う私はおかしいのでしょうか」(49歳・パート)、「夫の自分本位なセックスが不満。前戯もなく挿入、単調なピストン運動のあげく自分だけイッてしまい、私への配慮が一切ありません」(63歳・主婦)など、年と共に性欲が強くなる自分を「おかしい」と考えたり、夫のセックスが不満でも、それを口にすることがためらわれたり。

 夫への不満というきっかけ、女として愛されたい願望、性欲と向き合う恐怖……この特集の全てのエッセンスがつまっているのがこちら「読者体験手記 心も体も溺れた秘密の情事」にありました。「夫に求められない寂しさが、出会い系サイトに向かわせた。性から遠ざかっていた肉体は、どんどん深みにはまっていき――」タイトルだけで大体の情報がわかってしまうのですが、中身を見てみましょう。

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