カルチャー
最も多い時、風俗嬢の数は100万人以上とも

中国の「性都」としてかつて栄えた東莞市 一斉摘発後に、驚くべき変貌を遂げていた

2016/06/08 15:00

■若者向けの原宿のような街に

以前は水商売の女性御用達だったと思われる衣料品店。日本人好みのデザインも多い

 再開発は進んでいるものの、街自体はやはり廃れてしまったのかと思い歩いていると、洋服を売っている大規模なマーケットを見つけた。そのほとんどが女性もので、女性客や家族連れが楽しそうに買い物をしている。その後も、歩行者天国や比較的新しいと思われるショッピングモール、映画館、ファミレスなどの若者向けの店や、以前は風俗嬢や水商売女性御用達であったと思われる衣料品店も見かけた。

 香港や深センではあまり売られていない、日本人が好みそうなワンピースやハイヒールが約200元~(約3000円~)ほどで売られている。また、低料金でフェイシャルやマッサージなどを受けることができる「街スパ」も多く見られた。

「高級コンパニオンが使っていたホテルのエステや美容室は、摘発後、客足が一切なくなり、閉店が相次いでいました。しかし、多くの風俗嬢が通っていたリーズナブルなスパ、ネイルサロン、美容室は、摘発後、一般住民や女性旅行客も入りやすくなり、そのまま継続して営業しています」(現地に詳しい日本人)

洋服の露店で買い物する女性客。約500~1000円とリーズナブル

 大型ホテルがある通りは一見廃れたように見えたが、街のメイン通りは若者が多く、その雰囲気はまるで原宿のよう。想像していた東莞とは、まったく違っていた。前出の事情通によると、以前はこんなふうではなかったというのだから、よっぽど変わったのであろう。国が総出で、昔の「性都」のイメージを払拭しようとしている様子が伝わってきた。摘発後の風俗街は、たいていがゴーストタウン化してしまうものだ。このように都市開発が成功しているように感じられるのは、非常にまれだと思う。

 昔の面影も少しは残っているが、美容や買い物がリーズナブルで、今では女性向けといってもよい、「元・性都」東莞。読者の皆様も、ぜひ遊びに行ってみてはいかがだろうか。
(カワノアユミ)

最終更新:2016/06/08 15:00
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