カルチャー
元レディース総長のソーシャルワーカー・中村すえこさんインタビュー

罪を犯した人がやり直すために何が必要か 元レディース総長が、行き場のない少女たちを支える理由

2016/04/05 15:00

■暴力は、「心」まで痛くなる

――出院後に総長の座を追われています。

中村 はい。公園でみんなに力尽きるまで殴られて、「破門」されました。破門者や脱退者を殴るというのは、自分が決めたルールだったのですが、受ける側になってはじめて「暴力は、心まで痛くなるんだ」と気づきました。

 その後は、青春のすべてだったレディースに対する喪失感もあって自暴自棄になってしまいました。覚せい剤に手を出したり、いろいろありすぎましたが、その後に結婚して今では4人の子どもにも恵まれて感謝しています。

 というか、「もしも子どもがいなかったら、どうなっていただろう」と考えると怖いですね。子どもを授かったことで、命(お腹の子)の大切さに気づくことができたのです。そして、私も「母からもらった命で生かされている」とよくわかりました。この気づきがなければ、今の母としての自分もなかったと思います。

■必要なのは、居場所と仕事

――2009年には少年院の出院者や弁護士、学者、法務教官(少年院の教師)などが集まって出院者を支援するNPO法人「セカンドチャンス!」を設立され、現在は出院した子どもたちが住める「場」と「セリエ中間支援施設」を準備されています。

中村 はい。少年院を出ても、行き場がなければまた罪を犯してしまいますから、まずは支援し合うネットワークが必要だと思いました。セリエも、実際に寝泊まりできる場所を確保済みで、準備も順調に進んでいます。

――犯罪白書によると、14年の家庭裁判所から保護観察処分を受けた少年少女の再犯者のうち55.9%が無職で、成人の再犯者でも72.2%、およそ4人に3人が無職とされています。

中村 更生には居場所とやりがいは不可欠ですね。それに、仕事をしなければ生活できませんから、他団体との連携も進めています。(少年院出院者の職場探しをサポートしている)日本財団の「職親プロジェクト」とも連携しています。

 また、「セカンドチャンス!横浜」では女性専門の交流会をやっています。ここは少年院とか刑務所とかを区切ることなく、女性なら誰でも参加できます。60代の方も参加されています。

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