カルチャー
元レディース総長のソーシャルワーカー・中村すえこさんインタビュー

罪を犯した人がやり直すために何が必要か 元レディース総長が、行き場のない少女たちを支える理由

2016/04/05 15:00
中村すえこさん

 「犯罪白書」によると、2013年に刑法犯で検挙された少年は約9万人。少年犯罪は成人犯罪とともに戦後から減少傾向が続いているものの、「再非行少年」(いわゆる再犯)の割合は13年で過去最高の34.3%に達した。検挙された少年の約3割に非行歴があることになり、成人の再犯率(約4割)に迫る勢いだ。

 「少年院を出ても、居場所がなければ再犯に結びつきやすいのです」。こう話す中村すえこさんは、自らも女子少年院暮らしを経験し、現在は出院者を受け入れる「セリエ中間支援施設」を準備中だが、なんとレディース(女性だけの暴走族)の元総長として知られた存在だった。行き場のない少年少女を支える活動についてお聞きした。

■親に放任されて、寂しくて「不良」に

――15歳で埼玉・東松山のレディース「紫優嬢」(しゆうじょう)の総長に就任され、雑誌「ティーンズロード」(ミリオン出版)でも注目されました。当時のことを書かれた著書『紫の青春  恋と喧嘩と特攻服』(同)は映画化(『ハードライフ』2011年)もされていますね。

中村すえこさん(以下、中村) はい。詳しくは本を読んでいただくとして(笑)、働かない父に代わって母は生活のために働き通しで放任だったので、寂しかったこともあって「不良」になっていきました。

 中学に入ってからはバイクに乗り、タバコや万引き、シンナーなどで何回も補導されましたが、母からは叱られたことがありませんでした。もちろんセックスも、ですね。そして、中2の時に先輩の誘いでレディースの走りを見に行って一目で憧れてしまい、すぐに入れてもらいました。不良なんですが、むしろ上下関係や規則にはとても厳しく、シンナーや万引きはやめました。

 中学卒業と同時に総長になり、真面目にチームの拡大だけを考えて他チームとのケンカに明け暮れていたのですが、他チームとのケンカで逮捕され、少年院送致になりました。この時に初めて母に泣かれてしまい、つらかったのを覚えています。

――少年院の生活はいかがでしたか?

中村 運動、勉強、職業訓練と分刻みのスケジュールで厳しかったのですが、みんな真面目に一生懸命だったので、私もがんばることができました。ごはんももりもり食べていました(笑)。入ってよかったと今は思えます。

 また、私の収容をきっかけに、両親と姉たちが家族そろって面会に来てくれるようになったんです。これはうれしかったですね。

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