カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「美人百花」7月号

「美人百花」読者は年収400万円!? 夢見がちな読者像と高収入のギャップが示すもの

2015/06/29 21:00

 しかしまおみさん、お綺麗で、オシャレにも力を入れていて、さらに頭がよく、なんでもそつなくこなせそうなのに、どことなく“惜しい”。それは、未婚のレディ読者の多い「美人百花」で、「主人が」「主人が」とアピールしまくってしまうところなのかもしれません。「誰がこの『主人』アピールを喜ぶんだろう」というところに気が回らない、この辺の感覚がほんの数ミリズレているのが原因なのではないかと思ってしまいました。辺見えみりさんのように、反感を買う悪目立ちもしないだけに、まおみさんに漠然としたモヤモヤを抱えている人も少なくないのでは。

■仕事=アイコンでしかない?

 今月号も着回しカレンダー企画をチェックしていきましょう。今月の登場人物であるOLの里香さんは、広告代理店営業部勤務の28歳。多くの担当クライアントを抱えて多忙な毎日だけど、スキルも評価も上昇中で毎日充実なんだとか。

 着回しのテーマは、「雨の日着回しカレンダー」なんですが、雨ばかり気にして何も仕事をしていないご様子。出てくるエピソードも、「朝から大忙し」「通勤ルートは水たまりだらけ」「外回り続きでハードな1週間だった」「憧れの先輩に同行」「会社帰りに合コン予定!」「有給消化で本日オフ」などで、ほとんど具体的な仕事内容が伝わってきません。こんなことなら、もう登場人物に設定をつけるのやめたらいいのに。「美人百花」にとって、仕事なんてアイコンでしかなく、重要でもなんでもないことがバレバレです。

 かと思ったら、今月号は珍しく「転職して、実際どうでしたか?」という企画がありました。総じて現実感の薄い「美人百花」が、転職をどう捉えているのかと思い期待したのですが、トップに出ているのは、出版社勤務から起業家へ転身したという肩書の安藤美冬さん。現実感薄すぎ! 安藤さんは、「配属先の広報部では失敗のオンパレード! 業界内の常識がわからず、高級ブランドの偉い方との会食に別ブランドのバッグを持っていった」などと、1カ月コーディネートに出てくる架空の“ドジエピソード”ような話を披露。その後、病気を経て何かに挑戦したいと思ったとき、まず「人に会うこと」から始め、日々SNSで働き方について発信していたところ、メディアに取り上げられるようになったそうです。

 この企画にはほかにも、パーソナルトレーナーや美容コンサルタント総合情報サイト運営、ゴルフウェアブランド経営、ベビーマッサージ講師の方などが登場していましたが、皆さん、明るくて笑顔のやわらかい人ばかりで、ゴリゴリ働いている空気はみじんも感じられず、非常に「美人百花」らしい人選だと思いました。「私もこんな素敵な転職したいなぁ~!」とうっとり語りだし、そして、恐らく言うだけで満足してしまう読者も多いことでしょう。それでこそ、夢見がちな「美人百花」です。

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