カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「リンネル」6月号

死に体「リンネル」を救う「リンネル オム」、非モテとエリンギみたいなコーデが中毒性アリ

2014/05/05 16:00

 「スタンダード・アレンジ 着まわし21DAYS」というコーナーでも驚愕。ボサボサ頭+チェックのシャツ+リュック、黄色ベスト+膝丈パンツ、霜降りスウェット+ロールアップジーンズと、どこをどう見ても非モテファッションの典型例を紹介しているようにしか見えません。非モテ、非モテ、えのきだけ、非モテ、非モテ、エリンギ……という感じの着まわし21DAYS。1周回って「これが気負わなくてカッコいい」ということなのはわかります。しかし、1周回ってこないとわからないカッコよさは、カッコ悪いと同義ではないでしょうか。うん、カッコ悪い。こんな男性誌、見たことない! 新しい!!

 「僕たちの新定番」というコーナーでは、TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美(=ちはるの元夫)が、無印良品のボーダーTやREGALのシューズを紹介しています。これも1周回った結果なのか単に何も考えていないのか……。「芸人としてだけでなくイラストレーターとしても活躍」しているという肩書きのネゴシックスは、藤原ヒロシがディレクションを手がけたボディケアブランド「retaW」の商品や、裏原ブランド「visvim」などを紹介。ほっこり系の「リンネル」に、今さら裏原系をぶっこんでくる空気の読まなさ加減、これも1周回った結果なのか? もう脳みそが何周も回りすぎてこんがらがってきてしまいました。ああ、わからない。ファッション誌なのに、これがおしゃれなのかおしゃれじゃないのか、ちっともわからない。誰か私にナチュラル系男子のあるべきファッションを教えてくれー! と考えさせられ、本当に読み応えありました。月刊化を強く希望します。

■台湾ガイドで日本ゆかりの店を紹介

 本編に一切触れないのもなんなので、一言申し上げておきますと、かつてはパリジェンヌのおしゃれを取り上げたこともある「リンネル」ですが、今月号では日本に回帰していたことが気になりました。「ファッション・ライフスタイルジャーナル」という企画ページでは、この春夏の注目情報として「made in Japanの手仕事」が取り上げられていましたし、「アンテナ感度の高い」と紹介されているモデルのKIKIさんは「私の周囲ではなんと空前のけん玉ブームなんです(笑)」とコメントしています。

 さらに、旅行企画「新しくて懐かしい台湾」でも、ショップガイドにビームスの台北店や、台湾在住日本人のセレクトショップ、日本で買い付けているキッチン雑貨店、日本文化を愛する店主の日本製雑貨店などを織り交ぜています。台湾でなぜわざわざ日本製品の店をおすすめしているのか謎。まさか政治的陰謀がある……わけではないと思いますが、たとえて言うなら海外旅行に梅干しを持参するような、センスの中年化を感じました。

 日本製というと、多くの人に「安心」「丁寧」「懐かしい」という感覚を呼び起こさせます。これは今の「リンネル」の雰囲気を象徴しているようです。「安心」「丁寧」「懐かしい」は決して悪いことではありませんが、攻めの姿勢を感じません。全てが、既定路線。だから、マンネリ化するし、ワクワクするような刺激的なページが少ないのだと思います。端的に言うと、「リンネル」はもう役目を終えたのです。ここは素直に「大人のおしゃれ手帖」に移行して、男性誌として生まれかわったほうがいい。非モテから1周回ってナチュラル系男子になるという、新たな時代の1ページを作ってほしいと思います。
(亀井百合子)

最終更新:2014/05/05 16:00
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