コラム
[連載]安彦麻理絵のブスと女と人生と

母親がドレスアップしちゃ“罪”なの? 「入学式にふさわしい服」のネット声に驚愕

2014/04/27 21:00
(C)安彦麻理絵

 4月。ぽかぽか陽気で春たけなわ、といった感じ。犬も、伸び切ったパンツのゴムのように、ズベロ~ンと脱力しきって昼寝している。ところでついこの間、4月7日は長男の小学校入学式であった。この日、私は約10年ぶりくらいに、久々に着物なんか着てみたりした。なぜ急に、着付け代だの、その他もろもろのレンタル料金を支払ってまで着物を着る気になったかというと、実は3月の保育園卒園式の時に、韓国人のお母さんで「チマチョゴリ」を着てた人がいたのである。おごそかで華やかで、まさに「正装!!」といった風情のその姿を見て、「……ああ、やっぱり民族衣装っつうのはいいもんだなぁ……!!」と、この時私はしみじみ思った。(ちなみに私自身のこの日の服装は、マーガレット・ハウエルの紺のワンピースにベビーパールのネックレスという、だいぶ地味めな装いであった)

 そんなわけで翌日、さっそく、タンスにぶち込んだままにしてた着物を引っ張り出してみたわけである。それは、ピンクとグレーが混ざったような落ち着いた色合いの、甘辛ミックスというかブスカワイイというか、なんだかそんな風合いの着物なのだが。確か、23歳くらいの時に、母親が「成人式なんにもしてあげなかったから」と買ってくれた、カジュアルな小紋と呼ばれるタイプの着物である。考えてみれば20年ぐらいたつシロモノ。当時、一緒に買った帯は若い子向けの半幅のものなので、現在44歳の子持ち女には、悲しいかな、もう、ふさわしくない。それで帯に関しては、着付け屋で借りることにした。ほかに、草履やらバッグなども借りて、着付けとレンタルで料金は1万円くらいかかったけれど、私の心はホクホクしていた。「……ああ!! 久し振りのドレスアップじゃないの!!!」足どりも軽やかに、私は、当日の主役である息子よりも、入学式の日を心待ちにしていた……が。

 4月に入って、美容院でいつものコース「白髪染め&髪をショートボブに整える」をやってもらってるうちに、ふと、「ある不安」が頭をよぎった。それは。

「……こういうヘアスタイルで着物なんか着たら私、きっと周りの人に『自称クリエイター』っつうか、『こだわり系不思議母さん』って見られるんじゃないかしら……!!??」

 黒髪ショートボブで着物……自称クリエイター風……こだわり系不思議母さん……あああ!!! 44歳になってまで「自称・不思議ちゃん」「あたしはそこらへんのお母さんたちとは違うから」みたいに思われるのは、まっぴらゴメンである!! 悶絶!! しかし今さらもう、どうしようもない。こんな長さのショートボブにパーマなんてかけたら、それこそ藤子キャラの「小池さん」、もしくは劣化した大塚愛みたいになりそうだし、焦ってショートカットなんてした日には、加藤登紀子みたいになるのがオチである。結局、八方塞がりのまま当日を迎えることになったわけだが。

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