カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「Grazia」6月号

ワーキングマザー向け雑誌「Grazia」の想定読者は実在するのか?

2013/05/21 17:00

 一口にワーキングマザーといっても、仕事がアイデンティティーで自ら働きたい人、生活のために稼がなきゃいけない人、社会との接点を失わないために働く人と事情はさまざま。そしてそのカテゴリーもはっきり分かれているわけではなく、それぞれが重なり合っているのではないでしょうか。その上、年齢を重ねるほどに、自分の能力の限界もうすうす気づいてくる。子どもや夫のことももっと気にかけたい、家事も完璧にできずに後ろめたい、仕事が好きというわりに説明しやすい経歴や肩書を作れていないという罪悪感に押しつぶされそうな読者が、飛び抜けた能力とキャリアを持った人の「あなたもできるわよ」という説教を聞かされたら意識がシャットダウンしそうになるので、薄目でしかこのページを読まないと思います。

 逆にもっと仕事に対して純粋な野心があって能力にも自信がある人なら、「Grazia」を読むより、「東洋経済」(東洋経済新報社)や「日経WOMAN」(日経BP)でもっと実用的なハウツーを身につけた方が効率的でしょう。

 こうやって総合して考えてみると、「Grazia」が想定していた読者、「Grazia」に心酔する読者というのはとても少数派。ただその原因がすべて「Grazia」にあるというよりは、ワーキングマザーの社会的なプレッシャー、自分自身のプレッシャーが雑誌の世界より辛いという現実があるからだと思います。「Grazia」の休刊はいち媒体の失敗というより、もっと根深い問題をはらんでいるような気がしてなりません。

最終更新:2013/05/21 17:00
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