姫野カオルコ×中瀬ゆかり「親は永遠のミステリー」『謎の毒親』(姫野カオルコ著)刊行記念トークショーレポ

「娘なのに可愛いと思えない」毒親に悩み続けた姫野カオルコが、亡き母の日記に見た一筋の光

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大村崑のモノマネを披露してくれた姫野カオルコ氏(左)と爆笑する中瀬ゆかり氏(右)

 「毒親」という言葉は、2001年、スーザン・フォワード氏の著書『毒になる親 一生苦しむ子供』(講談社)の文庫発売をきっかけに、世間に浸透し始めた。その後、12年出版の漫画家・田房永子氏著『母がしんどい』(KADOKAWA/中経出版)など、毒親に関するさまざまな書籍が世に出ることとなり、「毒親」の概念は確固たるものではないが、言葉の意味の共通理解がある程度は進んでいる。今ではネットで「うちの親が毒親で……」と相談すれば、ユーザー同士で大まかな話は通じ、同じような境遇の人とその悩みを分かち合うことができる。それでは、まだ「毒親」という言葉すらなかった時代、子を理不尽に支配する親に悩みを持っていた人たちはどうだったのだろうか。

 先日、姫野カオルコ氏による『謎の毒親』(新潮社)が刊行された。主人公のヒカルちゃんが、文容堂書店にある壁新聞の悩み相談コーナーに投稿する家族の「謎」について、書店員の清人さんが回答していく内容を小説風にまとめている。本書に出てくる人名や地名の一部は仮名とされているが、ヒカルちゃんとは姫野氏本人であり、その投稿内容は全て本人の実体験だという。

 本書の刊行記念トークショーとして、神楽坂・ラカグにて「姫野カオルコ×中瀬ゆかり『親は永遠のミステリー』『謎の毒親』(姫野カオルコ著)刊行記念」が開催された。父と娘、そして母と娘について、姫野氏と、新潮社の出版部部長である中瀬ゆかり氏がユーモアと毒っ気たっぷりに語った、そのトークショーをレポートする。

■なぜ母は娘の胸を揉むのか?
 2人は、かれこれ20年の付き合いになり、姫野氏が中瀬氏を指名して今回のトークショーが実現したという。まず、中瀬氏は本書について「ホラーでもありミステリーでもあり心理小説でもある。最後の最後に『本書は実話に基づいています』というオチにゾクっとする」と率直に感想を述べた。“相談小説”というスタイルにした理由について問われると、姫野氏は「親の話は誰にも言えなかったが、この年になって、頭がしっかりしているうちに誰かにこの謎を聞いてみたいという気持ちが強くなった」と語る。

 最初の話題は、本書の中に出てくる、「母親がヒカルちゃんの胸を揉む」という描写について。中瀬氏から「あの行動は、(お母さんが姫野さんに)ずっと娘でいてほしいから、胸が発達することが不安で、確認していたのでは?」と問われると、「今でも何がしたかったのかわからない」と姫野氏は首をかしげる。姫野氏の母親は、姫野氏が中学生の時、テニス部の女子部員が体を斜めに見せるポーズで写っている写真を見た際に、「こんなキレイに見せようとして」と、じっとりした嫌な感じで言い放ったのだそう。そこに姫野氏は写っていなかったが、その一言は暗喩であり、姫野氏に何かを要求してくる姿勢に見えたそうだ。胸を揉む行動は、10代の女の子が身体的に女性らしくなっていくことへの嫌悪の表れだったのだろうか。

 中瀬氏は、そんな姫野氏のエピソードに触れ、「自分の母親も毒親だと思っていたが、この本を読んで、うちは全然毒親じゃないと思った」と語る。中瀬氏の母親は専業主婦の教育ママで、子どもたちを全員国立大学に行かせる使命に燃えていたそうだ。東大に息子3人を合格させ、「受験に恋愛は無駄」と断言していることで話題の佐藤亮子ママと近しく、「遊びや彼氏に色気を出すと、すごく嫌がった。容姿も常にけなされていた」と振り返る。そして中瀬氏は「親から可愛いと言われて育った女性は、大人になって美人じゃなくても美人オーラがずっと出る」と言及。すると姫野氏は、すかさず「柔ちゃん(谷亮子氏)が、まさにそれ!」と斬り込み、中瀬氏含めて会場は爆笑。

「母と娘は相性が合って当然」の思い込みが苦しいのかも

しぃちゃん

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