[女性誌速攻レビュー]「nina's」1月号

自ら“おしゃれ業界ママ”と言ってしまう「nina’s」の自家発電ぶり

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「nina’s」(祥伝社)2013年1月号

 今号の「nina’s」は、年末ということでとじ込み付録に「福笑い工作セット」が付いてます。あの人気ユニット「tupera tupera」が「nina’s」のために作ってくれた特別な福笑いです。「あの」とか書いていて実は知らなかったのですが、「tupera tupera」はオリジナル布地での小物やイラストレーション、絵本などを制作している夫婦ユニット。「最初は変わった福笑いにしようかとも思ったんですが、やっぱり基本のおかめとひょっとこのほうが面白いかなーと思って。でもあまり和風にしすぎず、星やリボンもつけてnina’sらしくカラフルでかわいい感じにしました」ということで、ポップとセンスとユーモアが三重奏を奏でる福笑いになっております。ヴィンテージ着物女子にも通じる「本当のおしゃれは和に帰る」という志向をひしひしと感じ震えながら、今月のラインナップを。

<トピックス>
◎全お部屋みせます! HAPPY HOUSEへようこそ
◎子どもを寒さや風邪から守りたい たのしく冬対策24時!
◎キレイなママは夜美活

■「HAPPY HOUSE」という言葉のセンスのなさ

 はじめに「全お部屋みせます!HAPPY HOUSEへようこそ」を見てみましょう。クリエイティブなお仕事をされているご家族の、クリエイティブなお宅を拝見するこの人気企画。家中のいたるところから発せられるセンスの波状攻撃に、毎度非おしゃれ民を死んだ目にさせてしまう恐ろしいページです。

 「家族の色と時間をのせていくハッピーなキャンパス」という衝撃なキャッチがつけられたスタイリスト系クリパパ(クリエイティブパパ)のお宅。「usage pour toiで購入したラグはキッズスペース。Lloyd’s Antiquesで見つけたソファとオットマンは、アンティークのキリムを使用。ダイニングとの境目には、フェルトの手作りガーランド」など、同じ日本語でありながら半分以上意味がわからない“こだわりポイント”は、このページのお約束です。

 難解なおしゃれ用語のさらに斜め上を行くのは、「nina’s」名物“もの言うクリパパ”たち。建物やインテリアに対する強い思い入れはハンパないです。家中の壁を白くした理由を聞かれ、「これならキャンパスみたいに、後から自由に色をのせていけるでしょう。いろいろこだわりはあるけど、一番大切にしたのは家族がハッピーであること」なんて言われたら、渡辺篤史も「ほ、ほう……」しか言えないでしょう。また「友人とともに自宅をリノベーションした」クリパパは「環境保護の観点から国産材を広めるフェアウッドという活動をしているご縁で、床の杉材は山形県の森林組合から直接買ったり、壁も漆喰職人の板垣洋氏に頼んで調合してもらったり」など、素材や工法にも並々ならぬこだわりをお持ちのようです。「気に入った物しか買わない主義だから、欲しい物が見つからなければDIYをする」。こんな言葉が当たり前に出てくるのが、「nina’s」的クリパパの世界。

 そしてクリエイティブ一家のおしゃれ思想が最も如実に表れているのが、子ども部屋。天井からつるされた手製のオーナメント、おもちゃ箱はワインの空き箱やミルク缶、ディスプレイされたおもちゃはアメリカンヴィンテージ。「独創性溢れるコーナーづくりでアート大好きっ子に」という両親の思いがひしひしと伝わってきます。

 筆者は思い出しました。そう言えば、私も子どもがまだ小さい頃は、カラフルポップな海外のおもちゃとか絵本とかを買って悦に入ってましたよ。しかしどこからともなく忍び寄るのが“仮面ライダー”(女児の場合は“プリキュア”)という魔物。カードやベルトが散乱する部屋、「仮面ライダーのパジャマしか着たくない!」と主張する息子に、筆者の「おしゃれな我が家」は一瞬にして夢と消えました。こちらに登場するキッズたちが、仮面ライダーという俗世の権化と出会い、感化されていった時、クリパパ、クリママたちはどのように対応するのか。木や布のぬくもりとはほど遠い、あのテッカテカのプラスチックグッズたちをどう迎え入れるのか、もしくは断固拒否なのか。「家族がハッピーに過ごせる家」の真価が問われるのは、そこですね。

■ギャルがヴィトンを選ぶのと同じモチベーションの商品選び

 続いて拝見するのは「子どもを寒さや風邪から守りたい たのしく冬対策24時!」。この手のお世話系の企画はどんなママ雑誌でも大して変わらないのが常ですが、こと「nina’s」に関しては一味も二味も違います。

 最初のページでは「みんなどう過ごしてるの? おしゃれ業界ママ&ニナーズ読者の冬の生活24時をのぞき見!」と題して、朝起きて寝るまでの日常生活の中でママたちはどんな部分に気を付けているかが記されています。「別におしゃれ業界ママじゃなくてもいんじゃね? っていうかおしゃれ業界ママって自分で言っちゃったよ!」というツッコミは、どうか胸にしまっておいてください。単なる水分補給も温度対策も「おしゃれ業界ママ」が語れば効果120%増しになると信じられているのが「nina’s」の盲信なんですから!

 「冷える朝はデロンギヒーターのタイマーをセット」から始まるおしゃれママたちの一日。朝食は野菜中心でビタミンを補給。11時には人ごみを避けて外遊びです。外出の必需品は「ホットのルイボスティー」。ノンカフェインだから子どもにも安心ですしね! 帰ってきたら乾燥を防ぐための「レモン汁を搾った手作りホットドリンク」でまったり。買い物など人ごみに出かけるときはガーゼの「手作りマスク」。アップリケ付きで「市販のマスクはしてくれないけど、大好きなピンクのマスクを作ったら、喜んでしてくれました!」。お風呂上がり、「バスローブは渡辺パイルの今治タオル。吸水性も違うから時短に!」。さらにボディには「ヴェレダのカレンドラベビーウィンド&ウェザーバーム」を塗って乾燥を防ぎ、「鼻づまり対策にスニッフルチェストバーム。殺菌・鎮静作用のあるユーカリやティーツリー、ミルラのオーガニックエッセンシャルオイルが、のどや呼吸の辛い症状を和らげてくれる」と、怒涛のバーム攻めです。寝相が悪いキッズにはもちろん「手作りスリーパー風ブランケット」を。こうして、おしゃれな冬のお世話はフィナーレを迎えます……。

 みなさん、もうおわかりですね。冬のお世話を指南していると見せかけて、自らのおしゃれ生活っぷりをさりげなくカマす、恐ろしきおしゃれママの世界。レビューを書かせてもらう立場としては「無味無臭な冬のお世話にこれだけ自意識を乗っけられるとは!」と感嘆するばかりです。だからこそ、クリ両親からおしゃれ薫陶を受けて育った子どもたちが、いつかそのセンスの重圧に耐え兼ね、“おしゃれからの逃走”を図りはしないか勝手に心配。いわゆる“おしゃれグレ”ってやつです。ヒーローもの、ポケモン、瞬足……おしゃれとは無縁なこれらのものにも、何卒寛大なおしゃれ心で向き合ってほしいと願ってやみません。
(西澤千央)

ライダー好きなクリパパっていう新勢力もいるしな!

しぃちゃん



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