[連載] ドルショック竹下の「ヤリきれない話」

夢の第3夫人に!? アラブ富豪とのケモノ的な一戦!

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(C)ドルショック竹下

 サイゾーウーマン読者の皆さま、はじめまして。体験漫画家のドルショック竹下と申します。「セックス及びエロい体験取材をし、それをそのまま漫画に描く」というしょーもない仕事を生業にしております。

 これから皆さまにお届けする私の体験は、叶恭子お姉さまのような官能と恍惚のセレブリティオーガズム体験でも、故飯島愛さまのような絶望とトラウマからの復活記でもありません。大して美人でもスタイル抜群でもない漫画家が仕事ないしは日常で遭遇した、ただただしょっぱいセックス小噺であります。

■「アラブ」は沸き出でる”源泉”を持つ男だった!

「あー、アラブの富豪に嫁ぎたいわー」

 というのは、女が己の行く末を見失った時に吐く常套句である。褐色の肌の美少年が担ぐ神輿に座して、デカい葉っぱのうちわで扇がれながら、宝石のようなブドウを房ごといただく……家賃や公共料金の心配もなく、好きなブランド品もコスメもスイーツも手に入れ放題。「アラブの富豪の第3夫人あたり」はいわば女の理想郷なのだ。しかしそんな理想郷が手に入りそうになったとき、あなたはどうするだろうか。

 去年の年末。某週刊誌増刊の仕事で、「外国人に群がる日本人女性=外専」の実態を取材することになった。場所は外国人と外専女性が集まると評判の、六本木にあるクラブ(語尾上がりの方)。そこで私は、一人の中東系男性に声をかけられた。

「アナタ、ドッカラ来タ?」

 堂々たる体躯に仕立てのいいスーツ、ヒゲは綺麗に剃られ、髪はツヤッツヤのオールバック……カネの匂いがプンプンする。建設機械の会社経営者である彼(通称:アラブ)は日本をはじめ世界に系列会社を持っているという。国籍関係なく人と接するのが好きで、この夜も仲良くなった人全員に酒を振る舞うという豪遊ぶりだった。そんなアラブにやたら気に入られ、車で送ってもらうこととなった。

「アレガ私ノ『三輪車』ネー」

 深夜2時をまわった六本木の地下駐車場。アラブの指差す方向には紛れもない、黒塗りのベンツ……。金持ちのつまらないギャグに笑っている場合ではない。にわかに現実味を帯びてきた「第3夫人ライフ」を前に、私は背筋を凍らせていた。男女関係はギブ&テイク。夢が夢であるうちは気楽にテイクのことばかり妄想していればよいが、現実となるとそうもいかない。一体、世の第3夫人は亭主にどれだけのギブをしているものなのか。そんな私の不安をよそに、夜の街に悠々と滑り出したベンツの車内で、彼は故郷のことを語り始めた。

「私ノ実家、コノ信号カラ、アノビルノ距離グライマデガ入口ネ。オ父サンハ向コウノ建物ノ10階ノ部屋ニ住ンデテ、オ父サン帰ッテクルト、部屋ノ電気点ク。子供ノ頃、イツモ自分ノ部屋カラ電気点クノ見テタ」

 家族思いの素敵なエピソードだが、松戸出身の貧乏育ちの私には、どうしたって「奥行き50mの入口があり、10階建の別棟がある大豪邸」の方に注意がいってしまう。そう、今、私は夢にまで見た富豪のベンツの助手席に座っているのである。しかし何故だろう。このアンニュイな気持ちは……。

「キス、シテ!」

 信号が赤に変わった瞬間、それまで紳士的だったアラブがガマンならんといった様子で叫んだ。せわしなく顔を引き寄せられ、食われるんじゃないかと思うような激しいキス。少し伸びたヒゲが擦れ、痛い。しかもこれ一度ではない。信号が赤になるたびに繰り返され、私の敏感肌は悲鳴をあげている。やめれ、これ以上はやめれー。

 交通量の減った目白通りに差し掛かると、彼は路肩に停めてあるトラックの陰に駐車した。

「チョットダケ、イイ? モウ我慢デキナクナッチャッタヨ!!」

 野獣のようになったアラブは、私を引っ張って慌しく後部座席に移動。その日私は生理中だったし、取材としては車で送ってもらう程度でも十分だったのだが、こうなっては仕方あるまい。彼の欲望を鎮めなければ……。

 盛り上がるアラブとは裏腹に、淡々とキスから乳首攻め、ズボンのジッパーをおろしてお口のご奉仕へと移行する私。と、ここで本日何度目かの想定外。やたらとナニがデカい(しかも硬い)。

 硬くてデカいナニといえば私の大好物である。が、現在生理中の身。欲望に負けてナニを挿入してしまえば、途端にベンツの後部座席は血に染まるだろう。奥ゆかしさが身上の大和撫子代表として、それだけは避けたい事態だ。「褐色の巨塔」をこの身に埋めてみたい欲望と闘いながら、上のお口で必死にサービス。

「アオーッ! アオーッ!!」

 動物的な歓喜の声をあげるアラブ。お国柄なのか宗教的なアレなのか、やたらリアクションがいい。裏スジを舌でくすぐりながら巨塔をバキュームするたびに、後方へのけぞり、窓ガラスにガンガン頭をぶつけている。痛くないのだろうか。「金持ちの車はやっぱり防弾ガラスなのかな」とか考えながらフィニッシュにまで持ち込むと、これもまたやたら勢いがよく、無尽蔵に沸き出ずる石油を想起させた。

「パスポートサエ用意シテクレタラ、イツデモ、ドバイニ連レテクヨ…遊ビダッタラ、アナタモ、コンナコトシナイデショ?」

 フィニッシュ後、厚い胸板に抱かれながらそんなことを耳元で囁かれた。豪邸、ドバイ、プールサイドでフルーツ盛り…憧れ続けてきた夢が、すぐそこに存在していた。だが、それと引き換えにどれだけのものを捧げなければいけないのか、想像もつかない。第一、中東諸国はイスラム圏。女性の権利が著しく制約されている彼の母国では、私の下品な体験仕事など、到底受け入れられるものではない。

 「アラブの富豪と結婚したら、働かなくてもいい」という大前提などすっかり忘れ、宗教・文化の違いを悲観した私は、泣く泣くアラブの電話番号を着信拒否に登録したのであった。というのは嘘で、単にクドい顔が苦手なだけなのであった。ああ、もう少し薄い顔だったら私も覚悟を決めたのに!

ドルショック竹下(どるしょっく・たけした)
体験漫画家。『エロス番外地』(「漫画実話ナックルズ」/ミリオン出版)、『おとなり裁判ショー!!』(「ご近所スキャンダル」/竹書房)好評連載中。近著に「セックス・ダイエット」(ミリオン出版)。

『デヴィの「ここまで言ってよろしいかしら」』

そう考えると、やっぱりこの人すごいわ~。

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