[女性誌速攻レビュー] 「美STORY」6月号

プチプラ美容法の裏で、南果歩と辻仁成が誌上共演した「美STORY」

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「美STORY」10年6月号(光文社)

 先月号までは「私は時を恐れない」だったのに、今月号からは「ニッポンの40代はもっともっと美しくなる!」に突如キャッチコピーを変えた、「美STORY」。以前の方が、雑誌のスタイルを的確に表していたのに……というのは、余計なお世話でしょうか。それはさておき、今月号の大特集は、「安く、賢く、美しく!」。美容のためになら、いくら払っても構わない、というスタンスが見てとれていた同誌の読者ですが、いよいよ不況になったのか、こんな特集が目につくようになってきました。というわけで、どれほど実用的なネタが掲載されているか、はやる心を抑えながら見ていきましょう。

<トピック>
◎安く、賢く、美しく!
◎梅宮アンナさん、艶ランジェリーで”女復活!”
◎完本「嶋田美塾」

■美への執念、というより怨念

 それでは、早速今月号の大特集「安く、賢く、美しく!」を見ていきましょう。まずは安い(プチプラ)コスメを推奨するページが続く流れで、なんと「小悪魔ageha」の中條寿子編集長(32歳)をひっぱり出し、「age ageメークは”アゲ長”に訊け」と題し、age嬢メークを伝授してもらっています。age嬢とはつまり、夜の蝶といわれるキャバ嬢のこと。以前から「美STORY」が夜化していることは、このコーナーでも散々指摘してきましたが、とうとう御大を登場させるとは。しかも、必殺”盛りメーク”として、つけまつ毛やカラコン、ゴールドの眉カラーと危険アイテムを多数紹介。これを真に受ける40代がいたらどうしよう、という不安にかられました。

 続く、”シートマスクのマル秘テク”紹介ページでは、恐怖の写真がオンパレード! 時短、かつ浸透力を高められるオリジナルテクニックを紹介しているのですが、「忍ばせ二重貼り」「大量大人貼り」などはまだ序の口。シートマスクの上に風邪予防のマスクをつける「マスクonマスク」や、シートマスクの上にサランラップをかける「密着ラップ蒸し」などの行きすぎた感のあるテクニックが、写真とともに掲載されています。「マスクonマスク」のままで家事をしたり、「密着ラップ蒸し」のままドライヤーをかけている姿が……。テクを教えてくれている一般の方がそろいもそろってみんな美人。それが余計に恐怖を倍増しています! もはやトラウマの域。今度から美人の40代を見かけたら、必死のマスク姿を想像してしまいそうです。

 とどめは「いっそお金をかけない『¥0美容』」です。足の裏や顔をゴルフボールを転がして、マッサージする「ゴルフボール美容」、洗面器に熱湯を入れ、大きめのビニール袋をかぶって顔に蒸気をあてる「洗面器美容」、鏡に向かい、ポジティブな言葉と最高の笑顔を見せる「”鏡に笑顔”美容」など、美への凄まじい執念を見せる美容法が、ためらいもなく紹介されています。こういう地道な努力を隠すことが美徳だと思っていましたが、それはきっと古い価値観なのでしょうね。40代向けの女性誌でこの明け透け感。そりゃギャル雑誌がひどいことになっているのも、頷ける気がしました。

■南果歩と辻仁成、元夫婦が誌上で共演

 「美STORY」といえば、作家・辻仁成の連載がありますが、今月号では彼の元妻・南果歩が登場。熊本県南阿蘇村まで赴き、白川湧水やパワースポットを瑞々しい笑顔とともに紹介しています。「水に触れると、体と心が喜び、まるで細胞が新しくなっていくようだった」とギリギリ香ばしい発言を投げるものの、そこは今やハリウッド俳優・渡辺謙の妻として安泰な南。余裕が表れ、美しさにも磨きがかかっています。

 一方、「女オジサン」こと、はるな愛と対談している辻は、「15kg痩せた」「帰国するたびに行くエステがある」など、「女か!」とつっこみたくなる発言がてんこ盛り。まあ、「美」をテーマとした連載だから仕方がないといえば、仕方がないんですが……。後半は「今、女装子の小説を書いている」という辻が、「女オジサン」の半生に興味津々、前のめりで聞いています。そして対談風景の写真も散りばめられているのですが、肩までのサラっサラなストレートヘアと、乳首が見えるんじゃないかとこちらがハラハラさせれる、ドレープがきいたカットソーを着てらっしゃる辻さんこそが女装子なんじゃ、と思わされました。

 互いに名前も実力もお金もある人と再婚し、一見幸せそうに見える元夫婦ですが、細かい発言を拾っていくと、「ああ、互いにとてつもない傷を負ったんだろうな」と思わせる部分が見え隠れしますので、興味のある方は今月号をくまなくチェックしてください。

■あの「ペアヌード」が脳裏に……

 今月号に、さらっと挿入されているのが「梅宮アンナさん、艶ランジェリーで”女復活!”」のページ。2009年11月号で「モテポニョ」という新たなジャンルを打ち出したアンナ。トレーニングや、ホノルルマラソン完走、というストイックなまでのダイエットにより、「JJ」カリスマモデル当時と変わらないほどの体型を取り戻したようで、エロティックなランジェリーを身にまとって、現役復活をアピールしています。それがまた、本当に無駄なほどエロい。Tバックやら、ガーターベルトならまだしも、黒のレースを基調にしたブラ&ショーツにハンドカフとアイマスクまで装着し、目を閉じて恍惚の表情まで……。今はシングルマザーとして、時折闇社会に片足つっこんだような男たちと浮名を流しているアンナですが、この写真を見る限り、羽賀研二とのペアヌードのころと何も変わっちゃいないんだ、と改めて感じました。

 ほかにも表紙・清原亜希さんの撮影の際に旦那(清原和博)が来ただの、メークアップアーティスト・嶋田ちあきさんのプライベートが洗いざらいになっている特集があるだの、小ネタですら濃厚な今月号。これで800円なら安いのかもしれません。そして来月号予告では、「夫婦円満は、ちょいエロマッサージから(はあと)」。「an・an」(マガジンハウス)のセックス特集みたいな子どもだましではなく、本物のエロスをお願いしますよ!
(小島かほり)

「美STORY」

番長絶賛の表紙だそうです

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