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【花粉症】顔がかゆい、肌荒れがひどい! ステロイド軟膏を使わない改善法を薬剤師が解説

2024/02/19 13:00
清水みゆき(漢方薬・生薬認定薬剤師)
「まさか自分が花粉症とは……」31歳女性が受けた衝撃の診断! 塗り薬を使わず、かゆみを抑える方法がある!?の画像1
写真ACより

 花粉が本格的に飛散する時期に、顔や首のあたりがかゆくなる、肌荒れがひどいとお悩みの方は少なくないですよね。一般的な花粉症の症状である、鼻水やくしゃみ、目のかゆみなどの症状はないのに、肌のかゆみや肌荒れだけが生じる花粉症の方もいるんです。

 鼻水や目のかゆみに比べると軽く見られがちな症状ですが、どうにかしたいですよね。そこで今回は、あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師の清水みゆき先生に、花粉による肌荒れとかゆみの原因、改善方法について教えてもらいました。

※当記事は2021年03月30日公開の記事を再編集しています。

目次

花粉症の時期に肌荒れがひどくなる
花粉による肌荒れやかゆみのメカニズム
花粉による肌荒れやかゆみを改善するには、漢方医学がおすすめ
花粉による肌荒れやかゆみで悩む方におすすめの漢方薬

肌荒れがひどい! 医師から受けた衝撃の診断

 今回ご紹介するのは、花粉症の時期に肌荒れがひどくなる理沙さん(仮名)31歳のエピソードです。理沙さんは、毎年2月に入り花粉が飛び始める頃になると、急に肌が荒れ始めるのだとか。特に、顔の赤みや激しいかゆみに困っていて、「化粧品を変えたわけじゃないのに、どうしてだろう? 季節の変わり目だからかな?」と、ずっと不思議に思っていたそうです。

 「高校生くらいからでしょうか。毎年春になると、急に顔の肌荒れがひどくなり、ヒリヒリと痛くてつらくなります。目の周りから頬にかけて、赤く腫れたようになってしまうので、当時は『赤鬼』なんてあだ名までつけられて、からかわれたりも……悲しい記憶です。一度、皮膚科を受診したところ、“花粉症皮膚炎”と診断されました。鼻水やくしゃみはほとんどないので、まさか自分が花粉症だとは思いもせず、とても衝撃でした。

 病院からは飲み薬(抗アレルギー薬)を処方されましたが、飲んだ後なんとなく眠くてだるくなるので続けられず、塗り薬(ステロイド軟膏)中心の治療となりました。でも、ずっと薬を塗り続けるのが怖くなって、途中で治療をやめてしまったんです」

 花粉症の時期さえ過ぎれば大丈夫だからと、我慢していた理沙さんですが、ショックな出来事があったといいます。

「大人になってからも、春先は家に帰るとすぐ顔を洗い、保湿ケアも気をつけるようにしていたのですが、どうしても花粉シーズンは顔の肌荒れが悪化してしまいます。メイクで隠そうとすると余計に症状がひどくなるし、頬だけでなく顔一面、首のあたりまで赤くなってブツブツと湿疹が広がってしまうことも。

 鏡に映る自分の顔を見ると、うんざりする毎日で、ついには付き合っている彼氏からも『見てるだけでこっちまでかゆくなる』と言われ、『花粉症シーズンが終わって肌荒れが治まるまでは会いたくない』と、デートを拒否されてしまいました……。毎年、花粉の飛散とともに私の“暗黒シーズン”が幕を開けて、ただただ憂鬱。塗り薬などに頼らず、花粉による顔の肌荒れやかゆみを改善する方法ってあるのでしょうか?」

 毎年やってくる花粉症シーズン、できることなら毎日の生活や仕事に支障をきたすことなく、ストレスフリーで過ごしていきたいですよね。それではここから、花粉による肌荒れ、かゆみの原因や、改善方法についてをご紹介していきます。

花粉による肌荒れやかゆみのメカニズムを解説

 花粉症は、花粉が原因となって起こるアレルギー性の病気。中でも、花粉の影響で顔や首などの露出部位にかゆみや肌荒れが生じた状態を、「花粉症皮膚炎(花粉皮膚炎)」といいます。乾燥などにより肌のバリア機能が低下すると、花粉が肌に侵入し、かゆみや赤みなどのアレルギー症状を起こしやすくなり、かぶれが生じる場合も。

 こうした症状から、「花粉症皮膚炎」の特徴は、花粉の飛散時期だけ、かゆみやかぶれといった肌トラブルが発生することだといえます。なお、花粉症はある日突然発症することもあるので、昨年まで無症状だったとしても、注意が必要ですよ。

花粉による肌荒れやかゆみを改善するには、漢方医学がおすすめ

 花粉症皮膚炎で悩む理沙さんは、塗り薬などに頼らず、体質から改善する方法を探すようになったそう。そして、「花粉症皮膚炎が漢方薬で改善した」と書いてある、漢方薬局のホームページを見つけたとのこと。「漢方薬で少しでも花粉症の肌荒れが改善するなら、試してみよう」と、理沙さんは市内にある漢方クリニックを探して受診。「荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)」という漢方薬を処方されたそうです。

 ステロイド軟膏などの塗り薬は使わず、保湿剤と併用して漢方薬を1カ月ほど飲み続けたところ、徐々に顔のかゆみが軽減してきたとか。花粉症シーズンが終わるまでこれを続けるうちに、顔の赤みや肌荒れも改善してきた、とのことでした。

「ちょっと苦い漢方薬だったのですが、飲むとかゆみが和らぎ、しっかり効果を実感できたので、頑張って続けることができました。漢方薬は眠たくなったり、体がだるくなったりしないので助かります。肌荒れが改善したので、これからはいつでも好きな時に、彼氏とデートできるかな。ちなみに、彼からは『前より肌がきれいになったんじゃない?』って褒められましたよ!」

 自身の経験を、うれしそうにお話してくださった理沙さん。花粉による肌荒れやかゆみが、漢方薬の服用によって軽減されたというエピソードでした。

漢方薬で花粉による肌荒れやかゆみを改善できるの?

 「花粉症シーズンになると、急に顔のかゆみがひどくなる」「花粉症皮膚炎の体質って、これから一生変えられないのかな?」など、理沙さんのように悩んでいる方には、漢方薬もおすすめ。実際に、花粉症のアレルギーの症状である鼻水やくしゃみ、かゆみに効果のある漢方薬はいくつもあります。

 漢方医学は体のバランスを整えて、自然治癒力を高めることで、体の内側から健康にするための学問。漢方薬はさまざまな症状に効果が認められている医薬品ですが、自然の素材が体に優しく働くため、一般的に副作用が少ないといわれています。

 今起こっている不調を抑えるだけでなく、根本的な体質の改善を目指す漢方薬は、冷えや疲れ、アレルギー体質や肥満などの、慢性的な症状や体質に悩む方にも最適。バランスの良い食事や、適度な運動を毎日続けるのは難しい……という場合も、漢方薬なら毎日飲むだけなので、無理せず続けられるはず。漢方医学を日々のヘルスケアに取り入れてみてはいかがでしょうか?

<花粉による肌荒れやかゆみで悩む方におすすめの漢方薬>

・荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう):鼻づまりや、肌トラブルが気になる方
体の過剰な熱を冷まし、気や血の巡りをよくして、炎症を和らげます。

・当帰飲子(とうきいんし):冷えや乾燥肌が気になる方
肌に栄養やうるおいを補い、乾燥肌やかゆみを改善する漢方薬です。

 漢方薬は、体の状態や体質にうまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることも。しかし、たくさんの種類から自分に合った漢方薬を見つけるのは大変ですよね。

 そんな時は、「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。漢方に精通した薬剤師とAI(人工知能)が、あなたに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が便利です。

あんしん漢方

花粉による肌荒れやかゆみの悩みから抜け出そう!

 「春先になると、化粧品も変えていないのに、なぜか急に顔がかゆくなる」

 そのかゆみの原因、実は花粉かもしれません。花粉症皮膚炎を根本的に治したいのであれば、専門家に相談して、ご自分に合った漢方薬を生活に取り入れてみることもおすすめ。花粉症皮膚炎を改善してストレスを減らし、笑顔で春を過ごしましょう!

清水みゆき(漢方薬・生薬認定薬剤師)

清水みゆき(漢方薬・生薬認定薬剤師)

漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中です。

最終更新:2024/02/19 13:00
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彼氏の発言に怒り狂るあまり記事内容が入ってこない!