“中学受験”に見る親と子の姿

小6初夏から中学受験は遅すぎる? 娘が伝統私立校に“駆け込み”で合格できたワケ

2023/08/26 16:00
鳥居りんこ(受験カウンセラー、教育・子育てアドバイザー)

娘に中学受験を強く勧めたワケ――私立中高のコロナ対応に「感心しました」

 そんな中、美保さんは学生時代の友人から久しぶりに連絡をもらう。

「お互い、近況報告をしているうちに、彼女の娘が私立のS学院に通っていることがわかりました。その頃、メディアでは盛んに『コロナ禍における私立中高一貫校のオンライン授業』が報道されていまして、『公立とは全然違うんだぁ……』とうらやましく思っていたんです。S学院も生徒全員がタブレット端末で授業を受けており、1日たりとも授業がなかった日はないって聞かされました。『やっぱり、報道されている通りなんだ!』と感心しましたね」

 美保さんが、心美さんの学校であった出来事を打ち明けると、友人はこんなことを教えてくれたそうだ。

「S学院の担任の先生は、オンライン授業中、生徒全員の顔をパソコン画面に映し出し、一人ひとりが笑顔でいるかどうか、表情が暗い子はいないかを毎日確認してくれているそうなんです」

 美保さんの友人いわく、娘のオンライン授業の様子を少し離れたところで聞いていたところ、先生が懸命に生徒たちを元気づけようとしてくれているのが手に取るようにわかり、先生もつらいのに、本当にありがたくて、涙が出たとのこと。緊急事態宣言が明けて通常登校に戻った際、クラスはすでに一致団結しており、「この学校を選んで良かったなぁと心から思ったわ」とも言っていたそうだ。

 その友人の娘さんも小学校の時、いじめが原因で少しの間、不登校を経験。そこで、駆け込み受験をしてS学院に入学したという経緯があったといい、美保さんの心は一気に中学受験へ傾くことになる。

「絶対受かりたい」という気持ちを保ち続けるのって大変なことだよね
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