カルチャー
[女性誌レビュー]「婦人公論」2022年12月号

あの元『から騒ぎ』メンバーは“介護の星”になっていた――認知症一色の「婦人公論」

2022/12/04 16:00
島本有紀子(ライター)
「婦人公論」12月号(中央公論新社)

 「婦人公論」12月号(中央公論新社)、今回の特集は「『65歳以上の6人に1人』の現実 認知症と明るく暮らすコツ」です。先月号が「目、歯、骨」特集、先々月号は「終活」特集と、このところ想定読者年齢が以前よりさらに上がったように感じます。100歳まで長~く楽しめる「婦人公論」は、女性誌界で唯一無二の存在では。今月号の中身を、さっそく見ていきましょう。

<トピックス>
◎本人も家族も笑顔でいるには、「無理しない」が大切です 岩佐まり×長谷川嘉哉
◎軽度認知障害「MCI」は、早期発見で回復の可能性が
◎脳を刺激するドリル10

元『から騒ぎ』メンバーが登場! 今は介護の星に

 認知症特集の今号は、どうしても全体的に重めのムードです。冒頭を飾るのは、若年性アルツハイマーの母親を2013年から同居介護しているフリーアナウンサー・岩佐まりと、認知症専門医・長谷川嘉哉氏という、ここでしか見られないであろうペアの対談です。

 『恋のから騒ぎ』(日本テレビ系)16期メンバーだった岩佐は、現在39歳。社会福祉士の資格を取り、74歳の母の介護を自宅でしているとのこと。母との生活をつづるブログが話題となり、著書『若年性アルツハイマーの母と生きる』(KADOKAWA)を2015年に刊行しているほか、YouTubeチャンネル「岩佐まりの介護チャンネル」で介護の様子を公開したり、オンラインサロン「岩佐まりの認知症介護サロン」(月990円)、電話介護相談「まりに電話」(30分2,000円~)を運営したりなど、精力的に介護の情報発信を行っているよう。まさに介護の星。同じ境遇の介護者にとっては心強い存在であり、いつか自分も介護されるかもしれないと考える方にとっても、天使のような存在であることがうかがえます。

 同誌では65歳以上の6人に1人が認知症になるとしていますが、対談の中で特に気になったのは、長谷川医師が「私の経験上、認知症の進行が早い女性の夫は、独善的で威張っている人がものすごく多い」と語っていること。岩佐も「母の場合、父と不仲で長年ストレスが蓄積していました」「父は気に入らないことがあると、ちゃぶ台をひっくり返していましたから」と語っています。

 “認知症になるのはパートナーのせい”という意味ではなく、あくまで“パートナーが独善的だと進行が早い傾向がある”ということのようですが……これは明確な心当たりがある人にとっては納得の材料になる一方、心当たりがない周囲の人にとっては「私がストレスを与えていたのかもしれない」と新たな悩みを生むきっかけにもなると感じました。

 認知症に限らず、なぜこの病気になってしまったのか? というハッキリした因果関係が出せないのが病気というもの。このあたりの気持ちの整理の付け方について、もっと知りたいと感じました。

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