カルチャー
[女性誌レビュー]「婦人公論」2020年4月27日号

まるで戦時中の「ぜいたくは敵だ!」! 「婦人公論」90歳絵本作家のインタビューを疑うべき理由

2021/04/26 22:52
島本有紀子(ライター)
「婦人公論」4月27日号(中央公論新社)

 発売中の「婦人公論」(中央公論新社)4月27日号。「暮らしも遊びもお金をかけず、楽しく豊かに」と銘打った特集で、「使うお金は抑えめに、気持ちの充実を味わうヒント」を紹介する読み物が中心となっています。

 先月にも同誌では、似たような中身の特集「エコだけどケチじゃない『始末のいい』暮らし」(3月9日号)を展開。変化したのは、先月は「エコだけどケチじゃない」にこだわっていたのが、今号では「使うお金は抑えめに」と、はっきり“ケチを推奨”してきた部分でしょうか。コロナ禍が長引くにつれ、誰もが少しずつ余裕をなくしてきたということを示しているようで、怖くなりますが、さっそく中身を見ていきましょう。

<トピックス>
◎門倉多似亜 ささやかな幸せは暮らしのそこかしこに
◎甲斐信枝 90歳の絵本作家、大切なことは草や虫たちが教えてくれた
◎アズマカナコ 冷蔵庫・洗濯機ナシ。家族5人のエコ生活

スタバがなければベランダに出ればいいじゃない?

 まずは特集内の、料理研究家・門倉多似亜さんインタビュー「ささやかな幸せは暮らしのそこかしこに」。昨年8月、東京から夫の実家がある鹿児島県鹿屋市に移住。その日々をつづったエッセイ集『心地よく、ていねいに、ゆとりを楽しむこれからの暮らし方』(扶桑社)を3月に発売したそうで、今回のインタビューでは、「今いる場所でいかに快適に暮らすか」をテーマに語っています。

 鹿児島に転居する際、新居は前回の家とはスペースや間取りが違うと気付いた門倉さん。「そこで、家具はすべてサイズを測り(中略)配置を具体的にイメージし、どうしても入らないものはあきらめました」とのこと。なるほど。それは、引っ越しする人のほとんどがやる作業。しかし、そこを当たり前と思わず、“こんなクリエイティブな作業は自分しかやっていないわ”というスペシャルな気持ちで取り組むことが、「ささやかな幸せ」につながるのかもしれません。

 また、都内在住時にはカフェでの一人時間が好きだったそうですが、転居先には「スターバックスもドトールもありません(笑)」。代わりに家のベランダに鳥がよく飛んでくるそうで、その光景を1時間以上眺めたりしているとか。写真を見る限り、ベランダは広く、日当たりも良さそう。椅子はタイの雑貨店で購入したもので、そこらのスタバやドトールよりずっと快適そうに見えます。

 特集タイトルにある「使うお金は抑えめに」よりも、どちらかといえば「パンがなければケーキを食べればいいじゃない?」的精神が漂う、ゆとりを感じるインタビューでした。

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