カルチャー
「たけし『天才』」広告の闇【前編】

「たけし『天才だね!』」「マツコ驚愕」タレント名を使った“怪しい広告”、最前線事情に迫る

2020/09/21 21:00
石徹白未亜(ライター)

運用型の例。2つ並んで表示されることも

――こうした悪質な広告主に向けた対策は、現状どうなっているのでしょうか?

笠井 芸能人の顔写真や名前を使った悪質な広告は、アフィリエイト広告においては、今から2~3年前の最も多い時と比べて95%以上が削減されました。問題のある事業者を特定し、広告の出稿を禁止するなどの取り組みが進んでいます。

――でも、ネットではいまだにこの手の広告をよく見ます。

笠井 はい。95%以上削減できた、というのは、「アフィリエイト(成果報酬型)」において、なのです。私たちが見ているネット広告には、実は3種類あります。

■予約型
広告を出したい企業が、大手ポータルサイトなどの広告枠を購入し、掲載される広告。純広告やタイアップ広告という。

■運用型
SNS、動画サイト、アプリなどに設置された「ネット広告枠」に、プログラムが自動的に広告を配信する仕組み。そのため、SNS等運営側も自分のサイトに何の広告が掲載されているか把握できていないこともある。クリックや動画視聴の回数によって、報酬が発生する課金型の広告が主流。アドネットワークやレコメンドウィジェット広告等があり、ネットワーク広告会社が広告主を取り仕切る。YouTubeの動画広告、インスタグラムやLINEの広告なども含まれる。

■アフィリエイト
ブログやホームページ上に掲載されたアフィリエイトリンクをクリックした消費者が、広告主のページで購入や申し込みを行うことで報酬が発生する広告。広告主とアフィリエイターをASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダー)がつないでいる。

――予約型は、広告を受ける媒体側がチェックすることで不正案件ははじけそうです。となると、運用型での不正広告が残っているから、ユーザーには「減ってない」ように見えるのですね。アフィリエイト広告では、不正広告削減のために、どのような取り組みが行われたのですか?

笠井 日本アフィリエイト協議会が呼びかける形で、アフィリエイター、広告主、ASPが三者一丸となって取り組みました。ASP事業者は、常にアフィリエイターのサイトを監視し、違法な表現で商品を宣伝していないかチェックし、アフィリエイターの皆様には、悪質な広告主の商品を紹介しないようご協力いただきました。また、広告主の皆様にも、違法な表現で商品購入を煽るアフィリエイターに対して、自社の商品掲載を許可しないようご協力いただいたんです。

――一方で、いまだ野放し状態の運用型のネット広告の現状については、どう考えていますか?

笠井 アフィリエイト広告で削減できたので、運用型のネット広告においても、減らしていくことはできるでしょう。というのも、悪質な事業者というのは数が限られていて、悪質な通販会社、広告代理店、制作会社は、ネット広告業界内でもう特定されています。例えば、違法広告が100あるとして、仲介してる広告会社は大体5社、その資金源になっている商品の販売会社も5社くらい。その事業者5社を取り次がないよう止めればいいだけなんです。

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