ディズニーランド「11時間待ち」の大盛況も素直に喜べないブラックな裏事情

 11月18日、千葉県・浦安市の東京ディズニーランドには、多数のファンが押し寄せた。人気アトラクションで、ミッキーマウスと記念撮影ができる「ミッキーの家とミート・ミッキー」は、ピーク時には約11時間(660分)待ちの行列ができ、その盛況ぶりが話題となった。

 じつは、この日はミッキーの「誕生日」。1928年11月18日、ミッキーマウスが短編映画『蒸気船ウィリー』に始めて登場したことにちなんでいる。ミッキーの90歳の誕生日ということで、ファンがお祝いに集まったようだ。

 運営会社のオリエンタルランドによれば、「公式な記録はありませんが、11時間の待ち時間は聞いたことがない」としている。ディズニーランドといえば長い待ち時間がお決まりだが、かなり異常な状況だったようだ。

 当日のSNSの投稿を見ると、現場に足を運んだディズニーファンが「誕生日ミッキー〜 会えてよかった〜」と感想を述べるつぶやきのほかに、「並ぶだけで半日終えるなんてファンの忍耐力すごい……ミッキーって偉大だなあ」「ディズニーファンやばいって思ったけど、わたしも11時間並べば推しに会えるってなったら絶対並ぶわ。理解できた」などと、さまざまな感想が飛び交っていた。

 一見すれば明るいニュースだが、ディズニーランドの盛況を素直に喜べない事情がある。

 明けて19日放送の『スッキリ』(日本テレビ系)はこのニュースを取り上げ、行列に並ぶファンのようすを交えて紹介した。番組のゲストたちがミッキーファンの熱意に驚く意見を述べるなか、MCの加藤浩次(49)は顔をしかめて、「並んでる方も大変だと思いますけど、ミッキーも大変じゃないですか」と指摘。さらに、「ミッキーの休憩はあるんですか?」と疑問を投げかけた。

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 加藤の問いに対し、水ト麻美アナウンサー(31)は「そこはキチンとされていたと思いますよ」とフォローしたが、加藤は「そうですか? ミッキーもやっぱり休憩してほしいよね」とコメントしている。

ミッキーの着ぐるみの中は……過重労働にパワハラ、ディズニーのブラックっぷりが露呈
 加藤浩次がアクターを気遣ったのは、東京ディズニーランドにおけるブラックな労働環境がすでに明らかとなっているからだろう。今年7月、東京ディズニーランドでショーなどに出演していた契約社員の女性2名が、同園を運営する株式会社オリエンタルランド(以下、オリエンタルランド社)を相手取り、「安全配慮義務に違反した」として約755万円の損害賠償を求めて提訴を起こしていた。

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 11月13日には千葉地裁で第1回口頭弁論が開かれ、原告女性2人が会見を行っている。

 ことのあらましはこうだ。原告のひとりで2015年から働く契約社員Aさん(29歳、女性)は、総重量10~30キロの着ぐるみを着用して30分~45分にわたるショーに出演し、来場客と記念撮影や握手をするグリーティングに当たっていた。昨年1月、手首に違和感を覚えて受診したところ、神経などを圧迫される「胸郭出口症候群」と診断された。過酷な労働条件下で勤務を続けることは困難だったが、オリエンタルランド社は労災申請手続きもせず、休業補償もされなかったという。

 Aさんは2017年8月に労災認定を受けて現在は休職しているが、オリエンタルランド社を「けがをしたら終わりで、フォローもないという職場」と批判し、「健康状態に応じて業務内容を軽減すべき義務を怠った」と訴えを起こしている。

 もうひとりの原告で、2008年から働く契約社員Bさん(38歳、女性)は、2013年に着ぐるみを着用しての勤務中に客のいたずらによって右手薬指を負傷。上司に労災申請したが、「それくらい我慢しなきゃ。君は心が弱い」と言われ、取り合ってもらえなかったという。これをきっかけに、Bさんへのパワハラやいじめが横行する。

 Bさんが勤務中、バックステージで過呼吸の発作を起こした際は、上司から「病気なのか。それなら死んじまえ」「30歳以上のババアはいらねーんだよ。辞めちまえ」などと暴言を吐かれたそうだ。また、先輩アクターからも「お前みたいにやる気の無い奴は、全力でつぶすから」など言われたという。こうしたいじめは5年間続き、Bさんは心療内科への通院を余儀なくされたと主張している。Bさんはオリエンタルランド社を「パワハラに対して適切な措置を講ずる義務を怠った」として訴えている。

 しかしオリエンタルランド社は、Aさんの訴えに対して「労災認定の記録には『胸郭出口症候群の発症は確認できない』との意見が記載されている」と指摘。また、Bさんについても「パワハラ発生時、(原告の)女性と相手方が同時に勤務していたことを確認できない」とし、争う姿勢を見せている。原告の弁護団は「誠意をもって応じる姿勢がない」と、オリエンタルランド社を批判した。

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 この会見の様子は、14日放送の『スッキリ』でも報じられたが、原告のBさんがパワハラを受けてもなお「ゲストが第一なので、自分さえ我慢していればゲストの夢を壊さないという気持ちだけでやってきました。ディズニーが悪いわけではありません」と、涙ながらに訴えていたのが印象的だった。

 原告のふたりがどれほどディズニーを愛していた(いる)のかは、多くの犠牲を払ってまでディズニーランドで働きたいという態度から推し量ることができるだろう。

もう、ディズニーを「夢の国」として楽しめない
 しかし、ディズニーランドの過酷な労働条件や、ブラックな企業体質は、数年前から囁かれ続けてきた。2014年2月、ディズニーランドのショーに出演していたパフォーマーが不当な理由で雇い止め(解雇)されたとして、自発的な労働組合「オリエンタルランドユニオン」を結成したことがニュースになると、ディズニーランドの現場を支えるキャストのおよそ9割がアルバイトという不安定な雇用状況にあることや、契約社員になっても労働条件の改善が見られないことなどが世間の知るところとなったのだ。

 今回の訴訟で、パワハラや過重労働が明らかとなったことで、ディズニーを単純に「夢の国」として消費できなくなってきた。いくらファンであっても、きらびやかなショーの裏側ではパワハラが行われていることや、着ぐるみのアクターがじつは満身創痍であるという事実を知ってもなお、純粋に楽しめる人は多くはないのではないか。

 ディズニーにはいまだ熱心なファンが多いことは、冒頭のニュースでも明らかだが、パワハラ訴訟の結果次第では、この問題はより広く知られることとなるだろう。

 ミッキーは世界的に不動の人気キャラクターとして長きにわたり愛されてきた。その名声を貶めることのないよう、オリエンタルランド者には「夢の国」の世界観に恥じない労働環境を徹底してもらいたい。

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