いま振り返るジャニーズの“少年愛”報道【第6回】

ジャニー喜多川氏の「泡風呂の儀式」「頬にキス」……オモチャにされた「15歳」が語る真実

2018/08/29 21:00

 2005年3月、光GENJIの候補メンバーであった木山将吾による、『Smapへ――そして、すべてのジャニーズタレントへ』(鹿砦社)が出版された。

 「僕はジャニー喜多川の愛人だった…」という帯のキャッチが衝撃的な同著だが、このキャッチから想像する内容のはるか上を行く、ジャニーズ事務所社長・ジャニー喜多川氏によるホモセクハラ(※)という性的虐待行為の数々が、これまでのどの暴露本よりもページを割いて赤裸々に生々しく綴られており、そのおぞましさに戦慄を覚えること必至の一冊となっている。

「僕はジャニー喜多川の愛人だった」

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『SMAPへ―そして、すべてのジャニーズタレントへ』(鹿砦社)

 同著の内容は、とにかく過激で、その描写も強烈。ジャニー氏への怨みの深さが、どの暴露本の著者よりも凄まじいのだ。

 だが、その理由は、十分に理解ができる。

 同著出版の前年の04年2月、99年に一大キャンペーンでジャニー氏のホモセクハラや児童虐待を告発した『週刊文春』(文藝春秋)をジャニーズ事務所とジャニー氏が提訴して始まった裁判に決着がついていた。

 裁判の中では、実際にジャニー氏のホモセクハラを受けてきたという元ジャニーズJr.のメンバーが証言台に立ち、法廷でジャニー氏と直接対決したことが、当時、大きな話題となった。

 その結果、第一審ではジャニーズ側の勝訴となったが、第二審ではホモセクハラ行為が事実と認定された。当然、ジャニーズ側は上告したが、これが棄却され、裁判所は改めてホモセクハラ行為に関する記事の主要部分を真実と認めたのだ。文春側が支払う損害賠償額は、一審の880万円から120万円に減額された。

 形式上は、名誉毀損が認められておりジャニーズ側が勝ったことになるが、裁判の勝敗以上に、ジャニー氏のホモセクハラが、裁判所によって事実と認定されたという現実は重大である。そんなジャニー氏を放置してきたテレビ界もこれを無視できるはずはなく、ジャニー氏糾弾の機運が高まることは当然の流れかと思われた。

ジャニー氏を糾弾すべく綴られた「過激な内容」

 だからといって、心の傷が完全に癒えることはないだろうが、多少の慰めにはなるだろうと、ジャニー氏の毒牙にかけられた少年たちの多くは期待していたはずだ。

 だが、その期待もむなしく、ニュース、ワイドショーはこの裁判の結果を完全スルー。結局、ジャニー氏は表立った批判を受けることもなく、何の社会的な制裁も受けないまま、絶大な権力と影響力を保ち続けて1年がたとうとしていた。

 そんな中で出版されたのが、この『Smapへ』だったのだ。この問題人物をこれ以上のさばらせてはいけないという強い思いから、その内容がより過激になっていたのだろう。
 木山氏は、同著の「序章」にこう綴っている。

 決して名誉を抱えたままでは死なせない。あなたに2年間、おもちゃにされた人間だからこそ、今、僕が真実を語る。

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ジャニーさんの手慣れた感じが怖すぎる……
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