[女性誌速攻レビュー]「Domani」9月号

「Domani」が35歳女に強要する、仕事と結婚と「母」への道……林真理子も後ろ盾に!

2016/09/29 17:00

 次ページから「アニバーサリー・リング」特集を挟み、続くのは「35歳からのぶっちゃけ『婚活』講座」。「Domani」の40歳編集者・Tが、「捨て身」で婚活をして結婚に至った経緯がレポートされています。2015年5月15日から、プロポーズされた16年2月7日までの9カ月年表付きで、内容は盛りだくさん……なのですが、誌面のテンションの高さが、「あの子、40でも嫁にいけたんだってよ! あんたも真似しな!」と、大興奮で事細かに娘へ伝えてくる母のようであります。
 
 そんな「母(Domani)」が伝えたい、婚活ヒストリーとは――。まずは、「ウェイウェイ系」のバーベキューからお見合いまで一通りの婚活を短期間で集中してこなし、身近にいた年下男子に声をかけるも振られ、ここでにわかに覚醒。「理想の結婚相手リスト」に88項目書き、断捨離&キッチンをリフォーム。婚活開始から4カ月がたち、「結婚しなくてもいいかなァ」「私にとって仕事が大事だとはっきりわかった」ところへ、素の自分のままでいられ、仕事にも理解のある「運命の相手と出会った」。そして3カ月でプロポーズ、その2カ月後には結納。

 お、お見事な展開すぎる~! 「仕事」という「Domani」的必須アイテムに、「結婚」という今月号のトピックを重ね、鮮やかにゴールイン! これは、母が興奮して話したくなるのも至極当然。最後には、「婚活のプロ」という謎人物が「婚活の神様は、ちゃんとあなたを見ているんです」と神様まで引っ張り出してくるもんだから、まさに母ちゃんの小言状態。

 最後に一言言わせてほしい。「お母さん、もう勘弁してちょうだい! 余計なお世話だから!!」。

■現実には起こらないから!
 40歳編集Tが振られた「年下男子」は34歳だったそうですが、それよりもっと年下、28~30歳の男たちの頭の中を見てみましょう。隔月連載の「I Don’t Like Mondaysが、Domani女子をエスコート」という企画では、通称“アイドラ”というバンドの男子5人が、「年下の俺たちが、Domani女性とデートするなら?」を、自由に語っています。

 今月号のお題は「年上の彼女と初めて大ゲンカした後の、仲直りデート」でございます。デートプランは、午後1時にボートのあるカフェでランチをした後、4時に遊園地へ移動、たっぷり遊んだら居酒屋か焼肉屋で夕飯。彼女の家に宿泊、むくみ取りの「休息時間」を貼ってあげる、というコース。このプランに対して、「30代の体力も考えて! 疲れるわ」とか、家に泊まることについて「今夜は一人で考えさせて~」と、女性から茶々が入っています。が、こんなデートができるなら、素敵じゃないですか!! 大体、「年下男子」と言えば、「どう扱っていいかわからない」に始まり、先ほどの編集Tさんのように「振られた」なんて話しか聞かないですからね、リアルには!

 「泊まるのはウチかよ!」とか、「マッサージじゃなくて休息時間だけかよ!」とか、「そもそもアイドラって誰だよ!」など、ほかにも突っ込みたくなる要素は多々ある上、毒にも薬にもまったくならない連載ですが、「35歳のおとぎ話」と思うと地味に楽しめますよ~。
(白熊春)

最終更新:2016/09/29 17:00
『Domani(ドマーニ) 2016年 10 月号 [雑誌]』
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