「手を握られると安心するの」　ホストにハマるおばあちゃんたちの実態

　ノルマのために女子高生に売春させたりしているホストは、そんなにはいないんですね。

「当たり前やないですか（笑）。まあ歌舞伎町にはいてるのかも。でも全国にホストクラブが何軒あるか知りませんけど、そない悪質やったら皆ツブれてますわ。悪質な店がないとは言いませんけど、そこまでひどくはないのと違いますかね」

　東南アジアの買春ツアーに行く中高年の女性も増えているようです。

「昔はセレブの奥様もホスト遊びをされてましたが、そういう有名人の場合、今は国内だとパパラッチがうるさいので、なかなか遊べず、海外で発散すると聞いてます。さすがに記者もそこまで追いかけてはこないでしょうしね。うちのお客さんたちはそういう人たちをバカにしてますけど、ホンマはうらやましいのかも（笑）。やっぱり、男性を求めてるんですよ」

　いくつになっても寂しいということですかね。

「そうですね……。なんか老人介護ボランティアみたいですけど、喜んでもらえたらうれしい。うちは大阪ですが、もっと地方は、おばあちゃんのお客さんばっかりでしょう。（ホストが一緒にソシアルダンスを踊ってくれる）ダンスパブも、おばあちゃんしかいないと聞いています。若い女の子はダンスなんか踊れないし、カネもない。むしろ老後に好きに遊べるおばあちゃんはうらやましい。お金も時間も遊べる体力もあるということですからね」

　たしかに老人の貧困が問題になっている現在、ホストクラブで遊べる老女たちは勝ち組といえますね。格差社会の象徴でもあるのです。
（取材・文＝蒼山しのぶ）