カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」10月号

「派手=品がない」「地味=女を捨てた」……男性の偏見に怯える「CLASSY.」がまさかの姉御路線

2015/09/09 17:00

 察しのいい方は、もうおわかりでしょう。そう、ここに並べられた20代ファッションとは、かつての「CLASSY.」が「結婚できる」「男にモテる」と崇め奉っていたスタイル。そして、「自立」や「包容力」や「タフさ」は男に敬遠される要素として避けられていたもの。こなれファッションが常態化した今、“世代問題”にすり替えながら、かつての自分たちの亡霊を葬ろうとする「CLASSY.」。“もはや戦後ではない”ならぬ、“もはや20代ではない”と、ここにはっきり「CLASSY.」は宣言したのです。

■「男はギャップが好き」に何十年振り回されるおつもりですか

 以前「CLASSY.」世代男性座談会で「花柄のワンピースとか、コンサバっぽい服を着ていると、きっと高いレストランとかに連れて行かなきゃいけないんだろうな~と思ってちょっと構えちゃう」といった放言がありましたが、先ほどの企画を見ても、「CLASSY.」女子たちが過去の自分と決別し“めんどくさくない”“手間のかからない”女になろうと必死の様子がうかがえます。実社会でめんどくさいのは、サバサバ教に憑りつかれた女だったりするんですけど……。

 さて、続いて紹介するのも、モテファッション企画。「派手めなコと地味めなコは勝負服が違うんです!」。「顔立ちがはっきりして存在感も強い」のが「派手めなコ」、一方「ちょっぴり控えめで落ち着きのある」タイプが「地味めなコ」という大雑把すぎる定義。派手なコは色柄物をドンと着こなし、地味なコはいわゆるこなれ系のイメージです。そして「手間のかからない女」になる秘策を、今回もまた「CLASSY.」世代男性座談会に言わせています。題して「CLASSY.世代のメンズが証言! 服とキャラは『ギャップ』が大事です」。

 序盤から「派手なコって失礼ながら品がなく見られがちだけど、シンプルなものを着てるだけで“このコはちゃんとしてそうだな”って思えるんだよね」と結構な失礼発言が飛び出すのはもはや芸当。しかし“派手なコは下品”より引くのは、このやり取り。

「地味なコってみんなヒールが低かったりアクセ控えめだったりするじゃん。なんで?」
「女らしいもの身に着けてる自分が恥ずかしいってやつでしょ」
「それがかわいいのにね」

 ヒェェェ……これからノーヒール、ノーアクセで外出する際は、“私はこの格好が好きなのであって、女らしいものを身に着けてる自分が恥ずかしいとかではありません”と貼り紙しなきゃなりませんな! そんな“女心お見通しの俺たち”の割には、ギャップの例が「派手なコがスニーカー履いてるのも意外性があって好き」「シャツにショーパンみたいなスタイルとか、最高」「俺、マキシ丈のスカートとか好き。会社で着てる人絶対いないじゃん。(中略)地味なコに似合いそう!」と、なんのひねりもナシ。「要は品とギャップが大事ってことだね。派手なコは落ち着いたもの、地味なコは女らしいものを身に着けるのがいいってことで!」とまとめていましたが、そんな男性たちの“選んでやるよ”目線には1mmのギャップも品も感じることはありませんでした……。

 派手なら派手で「お水っぽい」、地味なら地味で「女を捨てている」とのたまう男性たちの要求を満たそうなんて、ハナっから無理な話。パーカ1枚で人生を変えたい、かわいさでは若い子に対抗できないから姉御系路線に切り替えなきゃ、品とギャップがあれば男は落ちるってマジ? ……30代女性のヒリヒリするような焦燥感に比べて、あくまでライトな男性陣の勝手な言い分。これはもしや“男なんてこんなもんだから、深く考えんなや~”という「CLASSY.」からのご神託なのかもしれませんね。
(西澤千央)

最終更新:2015/09/09 17:09
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