カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「Gina」8月号

海外モデル信仰が病の域! 「Gina」の“外国人コスプレ”=オシャレの価値観に見る限界

2015/08/15 19:00

 このトークでわかったことは、なんだかんだ言って業界人は、海外が、いや、外人さんが、そしてその舞台であるコレスナ(コレクションスナップの略!)が大好きってこと。「海外の人の真似ってどうよ?」なんて言ってるしんちゃんでさえ、「最近ノージェンダーな子がキテる気がする!うちのブランドで起用したマディソンって(以下略)」とか、結局言ってますもん。個人的に注目しているのも、ブランドのモデルで起用しているのも外人さんじゃん!

■外人かぶれの根源は……
 今月は、しんちゃんの「でも海外の人って真似しづらいものが結構ありません?」の一言を受けて、「Gina」の病巣ともいえる、海外セレブについて少し注目してみたいと思います。幼い頃に、「あ~外国人(金髪の青いお目目)に生まれたかったなぁ」なんて事を、今でも思い続けているのが日本人女子。ハーフ顔メイクや外人メイク、くせ毛風アレンジなんて分野も確立してますし、かなわないのはわかっているけど、あこがれの存在として心の片隅にいつもあるのが外人さんでしょう。のっぺりした顔と剛毛を捨て、深い彫りの顔と、柔らかなほどよい巻き毛を手に入れたい気持ち、わかります。
 
 そんな、あこがれの海外セレブ企画、今月号はボリューミーです。「セレブみたいなつながってる系活用術」から始まり「コレスナから盗む夏のコーデSAMPLE」などざっと4企画。その中から今回は、「3大セレブのオシャ私服!」特集を見てみましょう。アレクサ・チャン、オリヴィア・パレルモ、ロージー・ハンティントン=ホワイトリーが「オシャレの質問Q&A」に答えていたり、なかなか読み応えがあるページです。個々人のFASHON DATEには「日本で買い物するならどこのショップに行く?」なんて項目もあるんですが、これって誘導して言わせてるのでは……? 例えば、その日本で行くというショップとやらが、FRAY IDやGINGERALEなど、全部「Gina」御用達ブランド。なるほど、よくできたページです!

 しかし、同じショップに行ったりコーデを真似するのは簡単だけど、雰囲気を出すのは難しい。どんなに金髪にしようと彫り深メイクにしてもDNAは越えられません。結局、セレブのコスプレをした日本人でしかないのです……。外人さんに恋い焦がれてしまうこの気持ち、これって幼い頃に刷り込まれたリカちゃん人形やバービー人形の影響でしょうか? リカちゃんの着せ替えごっこで遊んでいた幼少期を経て、現在は自身を外人コスプレで楽しむ。それが「オシャレ」といわれるのですから、「Gina」の世界はコスプレ雑誌なのかもしれません。
(白熊春)

最終更新:2015/08/15 19:00
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