カルチャー
[連載]ここがヘンだよ子育て本!

頑張るママたちを追い込む、意識低い系育児・松嶋尚美の天真爛漫さ

2015/07/05 21:00

【第4回】
松嶋尚美『松嶋尚美のジュマ&ララdiary』(ワニブックス)

<総合評価(10点満点)>
意識低い度 ★★★★★★★★★
昭和ジェンダー度 ★★★★★★★★
潔さ ★★★★★★★★★★

【寸評】

 誰もがみな「気楽に子育てしたい」と願っている昨今。ママ向け雑誌も頑張らない育児を流布することに余念がない。しかし社会に長らく根付いた“良き母親圧力”はそう簡単には跳ね返せない。そんな「気楽な子育て」を頑張ろうとする意識高めな母親たちを、軽く飛び越えていくのが、元オセロの松嶋尚美である。

 『松嶋尚美のジュマ&ララdairy』は、36歳で結婚、40前で長男・珠丸(じゅまる)、40過ぎて長女・空詩(そら)を出産した松嶋の妊娠~出産、子育てについて書いたブログをまとめたもの。松嶋のあっけらかんとした生き方に共感する母親は多い。しかしそれと同じくらい、松嶋に対してキリキリした思いを持つ層がいるのも事実だ。

 高齢出産となった女性に多い理念系育児に陥ることもなく、炎上を恐れるあまりに各方面に気づかいしすぎることもなく、「めっちゃ子どもかわいいねん!」と関西弁で呑気に語る日常。“意識低め”とも言うべき松嶋流子育ては、“頑張らないを頑張る”ママを無意識のうちに追い詰めていく。おそらく元相方・中島知子が抱いていただろうやるせなさに意識高めママたちがシンクロする、“罪やねんな~”な1冊。

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■「私がしたいこと」が正義

 「○○歳で結婚、△△歳で出産、仕事のことを考えたら間を置かずに2人目を……」。女の20代、30代は、自らが立てた人生の設計図との戦いの日々ではないでしょうか。妊娠・出産(とそれに伴うタイムリミット)が、ことさら女に逆算の人生を歩ませようとします。できれば3人欲しいけど、現実的には2人か、いや1人かもしれない、もしかしたら子どもはいないかも……年齢的にも経済的にもそうそう子どもは産めません。だからこそ、出産を人生の設計図にしっかりと組み込み、悔いのない子育てをしたいと願うもの。

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