カルチャー
『美容整形と<普通のわたし>』著者インタビュー(前編)

美容整形はなぜ批判されるのか? 整形患者の「普通になりたい」願望の深淵

2013/12/14 16:00

――まるでファッションの延長線上のような感覚ですね。アメリカに次いで、ブラジル、中国、日本、メキシコ、イタリア、韓国、インド、フランス、ドイツが、美容整形件数の上位10カ国となっていますが、件数が多いということは、美容整形に対するハードルが低いと言えますか。

川添 基本的にはそう言えますが、外国人旅行者が美容整形を受けている場合もあります。「メディカルツーリズム(医療観光)」といって、富裕層が観光を兼ねて医療費の安い国や医療が進んだ国で美容整形を受ける場合もあるのです。例えば、上位10カ国に入っているインドは、国民というより外国人が受けていることが考えられます。美容整形は、たいてい自由診療ではっきりしたデータがなかなか入手できないので、詳細は不明ですが。南アフリカ、タイ、チェニジア、キューバ、コスタリカ、韓国などもメディカルツーリズム先進国として知られています。

――日本も95万2,651件で4位と、世界的に見て件数はとても多いですよね。2009年版から算出された人口1,000人あたりの美容整形件数も5.8件で世界5位です。しかし、そこまで一般的に浸透しているとは思えないのですが。

川添 件数が多いのに、身近に「整形した」という人があまりいないということは、整形しても周囲には黙っているということではないでしょうか。周りの人に知られないよう飛び切りの美男美女にはならないとか、転職する時や引っ越しする時などに受けて隠しているとか。美容整形に対するハードルは少しずつ低くなっているでしょうが、先ほど例に出した韓国ほどにはオープンになっていないと思います。

――韓国では、「きれいになりたい」という意思を持って手術に望む人が多いそうですが、手術後も、きれいになったことに自信を持ち、周りに公言するのでしょうか。

川添 日本にも「内輪」という考え方がありますが、韓国には「ウリ(われわれ)」という独特の人間関係があります。ウリの間では整形を“言わざるをえない”雰囲気です。日本では、たとえ親しい間柄で顔の変化に気付いたとしても、本人が明かさないなら「気づかないフリをしておこう」と思いますよね。韓国では、整形した人は「わかるのに言わないのは正直じゃない」と明かしてしまうケースが多いんです。そればかりか、友人から「その二重の手術、失敗でしょ?」とか「手術前の方がよかった」なんてはっきり言われてしまう女性もいて、私は驚いて固まってしまったんですが、言われた女性はあっけらかんと「また手術受けたいのよ」と返していて、感覚が全然違うなと思いました。日本ではいくら親しくてもそんなこと言えないですよね。だからといって、韓国でもみんながみんなオープンなわけではなく、隠している方もいますし、よくよく聞くと「言いたくて言ってるわけではない。隠せないからしょうがない」という心情も見えてきました。韓国と日本の美容整形を公言する・しないには、人間関係の違いも背景にある。韓国は公言した方が、日本は黙っている方が、その人間関係がスムーズにいきやすいということでしょう。

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