カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「リンネル」9月号

“食べて買って遊んで”はNG! 窯元巡って行きつけバーを作る「リンネル」旅特集

2013/08/08 16:00
「リンネル」2013年9月号(宝島社)

 「リンネル」(宝島社)では今月から、菊池亜希子の「またたび」という紀行エッセイというか散文詩というかよくわからない不思議ちゃん連載と、小林聡美の「読まされ図書室」という読書エッセイが始まりました。予想を裏切らない人選で、その忠実な仕事ぶりに脱帽です。相変わらず袋モノ付録もあります。このレビューでは付録について毎回文句をつけてしまっていますが、先月号のムーミンの保冷バッグは使ってみたらとっても重宝しました♪ これでいつでもどこでも冷えたビールが飲めます。「付録やめろ」とか言ってスミマセンでした。

<トピック>
◎街で見つけたお手本おしゃれ 素敵な実例129
◎おいしくおしゃれで、ちょっと知的。そんな夏の大人旅
◎小林聡美の読まされ図書室

■まるで「あまちゃん」なパリ“ジェジェジェ”ンヌ

 ファッション特集は「街で見つけた お手本夏おしゃれ」。いわゆるストリートスナップのようなものなのですが、登場している人の肩書を見ると、フードコーディネーターやキャンドル作家、ネイリストなどがチラホラいますが、ほとんどはアパレルのプレスやスタッフ。要するに、ファッションの玄人さんです。おそらくふだんから商品の貸し出しなどで付き合いのある方を出したのでしょう。確かにその方が取材する側もてっとり早く楽ですし、取材される側も自社製品の宣伝になるし、読む方もド素人のおしゃれを見るよりは参考になり、三者が得をすると言えます。

 しかし、こうしたストリートスナップのおもしろさは、ごくまれにプロのスタイリストやブランドスタッフではあり得ないコーディネートが見られるところ。もちろん、雑誌のテイストから著しくかけ離れた人はそもそも写さないのでめったにそういう逸材は出ないとはいえ、どこかにリンネル界のきゃりーぱみゅぱみゅ(ストリートから生まれた新しいファッションリーダーという意味)がいるかもしれない。そういうワクワク感がアパレルのプレスやスタッフには期待できません。まったくもって予定調和。だったら普通に商品を紹介すればいいのに、わざわざストリートスナップ形式にした意味がどこにあるのかよくわからない特集となっていました。

 「異質」という意味では、パリのスナップページがその役割を果たしていました。表参道、代官山、自由が丘など国内のおしゃれスポットのあとに見ると、一体どこのおイモちゃんたちを写してきたの!? と驚いてしまうほど地味! 例えていうなら、みんなNHKの朝ドラ『あまちゃん』の天野アキに見えます。それくらい地味なんです。身につけているアイテム数が日本人より2~3コは少なくて盛りが足りない。筆者は25年前はオリーブ少女だったのでパリは相当ひいき目で見てるつもりですが、これはフォローできません。四半世紀の時を経て、この「リンネル」のスナップを機に、ようやくパリジェンヌへの憧憬とお別れできそうです。さようなら、サンジェルマン・デ・プレ、ボンジュール、アザブジュバーン!

■窯巡りがリンネル女子の「知的な大人旅」

 旅の大特集「おいしくおしゃれで、ちょっと知的。そんな夏の大人旅」を見てみましょう。一般的に女性誌の旅特集は、「おいしくおしゃれ」な雰囲気で作られているものですが、「ちょっと知的」(なぜ“ちょっと”だけなのか!?)と「大人旅」というキーワードはリンネルならでは。沖縄を紹介しているにもかかわらず、ビキニはおろかリゾートファッションのカットも1枚もなく、「夏だからって、すぐ肌を見せてブイブイ言わせてるオンナとは違うのよ」というプライドの高さを漂わせています。

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