カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「STORY」7月号

「販売累計13,000本!」のコピーに宿る、「STORY」の生々しいバブル思想

2013/06/09 17:00

■「偽善」という言葉を恐れ過ぎでは……

 ファッションページはいつもピンとこないのですが、読み物ページは充実している「STORY」。今月は「あなたの『好き』が人のためになる」と題した社会貢献に関する企画を組んでいます。当然東日本大震災を踏まえているわけですが、子育て世代者が多い「STORY」読者は、遠く出向かなければならない活動は難しい。そこで、“自分の好きなものや身近なことから始めよう”というメッセージを込めた内容となっています。「偽善かどうかより、やらないよりはたぶんいい、そう開き直れる程度の人生経験を積んできた40代のための“社会貢献”特集」と、最初にある種の冷たい視線へのエクスキューズが書かれているところが今ふう。“いいこと”をするにも、言い訳がいる、面倒な時代です。

 初めに登場して経験を語っているのは、田中律子。趣味のダイビングがきっかけで、珊瑚礁を守る活動をしているそうです。芸能人がボランティア活動をしているというと、「偽善」「売名行為」と受け取られがちですが、「でも、芸能人だから信用してもらえたり、喜んでもらえたりすることもありますよね。何もやらないよりはやったほうがいい。自分のできることを素敵な仲間たちと楽しくしていくという感覚なんです」と語ります。ほかに、チョコレートが好きでフェアトレードチョコを普及させる活動をしている女性、息子を難病で亡くし、特別支援学級の教育サポーターをしている女性らが登場しています。

 また、ボランティアジャーナリストによる入門ガイドのコーナーもあり、「ボランティアは社会奉仕と訳されることが多いですが、自由な意志で決定することを意味しています。明確な定義もありませんので、自分の意志で行動し、社会に役立つことを考えるとよいでしょう」「大切なことは、自分が好きなこと、関心のある分野にトライすること。同じ興味、関心を持って集まった人たちとは世代を超えて深い友人関係を築ける場合も少なくありません」といった説明もありました。

 ファッションページの古くささに比べて、読み物ページはいつも“今の私たち”の心を突いてくる。雑誌内温度差が大きいんですよね。とりあえず「40代はもうバブル世代ではない」ということを声を大にして言いたいです。
(亀井百合子)

最終更新:2013/06/09 17:00
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