カルチャー
[女性誌速攻レビュー]「日経ウーマン」5月号

仕事と家庭の両立を「女性だからこその強み」と美化、「日経ウーマン」の欺瞞

2013/04/18 15:00
「日経ウーマン」2013年5月号/日経
BP社

 2013年5月で創刊25周年を迎えた「日経ウーマン」(日経BP社)。心からおめでとうございます。今後もぜひ変わらず私たちを楽しませてほしいものです。さて、区切りとなる今月号には25年間分の5月号の表紙が並べられています。バリキャリ風の西洋女性が表紙を飾り、男性社会でどう生き抜いていくかをテーマに掲げている90年代、「マネー上手は女を上げる」「話す・聴く技術」等、テクニック重視になり始める2000年代、そして「貯蓄」「貯め上手」「給料の正しい貯め方」等貯蓄と節約が最重要事項となった近年……と、各年代の「日経ウーマン」の傾向が見えて興味深いです。

 そして、25周年に寄せて、作家の林真理子と女優の夏木マリという大御所すぎるお2人のメッセージが掲載されています。夏木氏は「何をするにも『愛が大事』」と断言し、林氏は「長く働くために大切なことはズバリ、『夫選び』」と答えていらっしゃいますが、「日経ウーマン」は相変わらず、愛の見つけ方も夫の選び方も教えてくれる気配がまったくありません。今後の25年間に期待しましょう!

<トピック>
◎給料の正しい貯め方&ふやし方
◎ずっと私らしく働きたい! 一生モノの仕事術
◎ハッピー文具、大行進♪

■地獄を見てからが本当の節約&貯蓄生活!

 「日経ウーマン」ではありがちな特集「給料の正しい貯め方&ふやし方」には、これまたありがちな「年収200万円~900万円、年代別・働き女子のハッピー家計簿&リアルライフ」のコーナーが。年収200万円台から年収900万円台まで順に紹介されているのですが、年収900万円女子(医師)が圧巻でした。洋服は母親の手作りを愛用し、家具は祖母の遺品を活用し、財布は姉の海外土産を使用し、スーパーで買い物して毎日自炊という堅実すぎる生活ぶり。せっかく沢山稼いでるのに一体何にお金を使っているのかと思いきや、投資信託に月10万円、貯蓄に40万円を充てるそうです。小市民には、給料の貯め方も増やし方も何の参考にもなりませんでした。

 注目すべきは「お金に関する『天国と地獄』」コーナーで語られる、読者の金銭がらみの苦い思い出の数々です。好きな人にお金を貸したり彼氏に100万円貢いだり、バー通いで浪費したり、美顔器やダイエット食品を買ってしまったり……。堅実なウーマン読者でもお金で失敗することもあるんだなと親近感がわきました。

 節約を重視する「日経ウーマン」の信条も充分理解できるのですが、だからこそ読者の1円単位で切り詰める模範的な生活を見せつけられる「リアルマネー&ライフ」よりも、「こういうこと私もあった~」と共感できる「天国と地獄」コーナーの方が、読者にお金のことを考えさせるきっかけになるような気がしました。だって頑張っても真似できないですもん、年収900万円とか投資信託に10万円とか!

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