[女性誌速攻レビュー]「BAILA」7月号

「白Tだけでオシャレな人に見られたい」! 超難問を吹っかける「BAILA」に荒れ狂う自我

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「BAILA」2015年7月号(集英社)

 今月号の「BAILA」(集英社)には、「夏は“顔の真ん中”塗らずに生きていく」という革新的な美容ページが待ち受けています。鼻まわりにファンデーションを塗らない、という逆転の発想が夏の美肌を生み出す、とのこと。筆者もアラサーになりお肌の衰えを実感する毎日ですが、最近特にひしひしと感じることは、「ファンデーションを塗ってしばらくたつと鼻の頭やまわりにつぶつぶの点々ができてしまう」こと……。どうやら毛穴にファンデーションが詰まっているらしいのですが、「就職したての頃はそんなことなかったのに」と最近は洗面台で自身の顔と向き合うたびにショックを隠せません。

 化粧直しもうまくいかないし、いっそファンデーションを取っちゃった方がよいのでは? と、思っていた矢先のこの特集、「なーんだみんな同じこと思っていたのね」と気持ちが軽くなりました。ですよね、やっぱり塗らない方がきれいですよね。夏の難問を1つ解決したところで、早速「BAILA」7月号を見ていきましょう。

<トピック>
◎誰でも持っていそうな服でおしゃれに見えたい!
◎作家・宮木あや子のアラサー女子恋愛ウォッチングvol.62「のりしろのある」女子
◎食いしん坊ジャーナルスペシャル こみやげ上手さんファイル

■バイラーズに降りかかる「シンプルで素敵」問題

 今月号の特集は「シンプルで普通、とシンプルで素敵、はどこで差が出る?『誰でも持っていそうな服』でおしゃれに見えたい!」です。ここに紹介されている洋服とは、今はやりのボーダーTシャツや真っ白い無地Tシャツなど。なるほど、誰でも持っていそうです。普通のアイテムすぎて、そもそもオシャレに見せたくて買ったわけ? とツッコんでしまいそうです。こういったアイテムで素敵に見えるには、最早ライザップにでも通ってモデル並みのボディラインに改造するしか手はなさそうですが、そこは「BAILA」。ワンサイズ大きめを買ってみたり、そでをまくってみたり、あの手この手でどうにかオシャレに見てもらおうと奮闘しています。

 そもそも、誰でも持っていそうな洋服をありきたりに着こなして、フロントインしてみたり、デニムの裾をロールアップしたりするだけで、その人は「オシャレな人」と周りに認定してもらえるのでしょうか、甚だ疑問が残ります。「オシャレな人」のイメージは、着こなしもさることながらワンランク上質な素材を着ていたり、一捻りあるデザインを着ていたり「誰でも持っていそうで持っていない服」を着ているような人である気がします。特に何の考えもなしに、人と被るような普通の服を買っといて、それで「オシャレに思ってもらいたい」だなんて欲が深すぎ!

 今月号の「BAILA」には、そんな「自分の我を押し通しつつ、他人にこう思ってもらいたい!」というたくましすぎる願望の記事が満載です。オシャレな人に見られる前に、「オシャレと思ってもらいたがってる人」のレッテルを張られてしまっては、いよいよ「シンプルで素敵」から遠ざかってしまうかも?

■のりしろのある女子を支えるもの

 前回に引き続き、宮木あや子さんのコラム「アラサー女子恋愛ウォッチング」をご紹介します。今回は「のりしろがある女子」がテーマです。ここで言う「のりしろ」とは、前の彼氏と新しい彼氏が重なっている期間のこと。「のりしろあり」肯定派のAさんとCさんの現在の恋愛事情が語られます。

 Aさんいわく、「そろそろ新しい人と付き合いたい、今の彼、私のことあんまり好きじゃないから」だそうですが、なぜそんな男とまだ付き合っているのかというと、「新しい彼氏が見つからないから」なんだとか。さらに、「なぜ彼氏が自分を好きじゃないと思うのか?」の問いには「私がメール30通とか送っても帰ってくるのが2通とかだけなんですもん。冷たいでしょ?」とのこと。ロ、ロマンスがあり余ってる……! またCさんはというと、長く付き合っている彼氏がいるものの、それを拠り所に新しい男をざくざく狩っている状態だそうで、いわく「ときめきが欠乏したら仕事頑張れないから」。ときめくって逆に体力を消耗しそうなのに! 人生を謳歌するというより、もはや “病み”の気配すらも。

 AさんCさんの現状を見るに、「のりしろがある女子」とは、類稀なる恋愛体質と体力の上に成り立っているのではないかと思いました。それ以外の女子にとっては、Cさんのように新しい男探しで体力を消耗するのではなく、来るべき「ワンチャンあるで!」な一瞬に全体力をかけられるよう、のりしろはなるべく少なくした方がいいかもしれません。

■東原亜希プロデュースのデスカレーが爆誕

 最後にご紹介したいのは「食いしん坊ジャーナルスペシャル こみやげ上手さんファイル」です。ここでは、手土産とは違う「こみやげ」というものを紹介しており、その定義とは「¥2,000以内のもの」「マナーや礼儀で渡すものではないもの」「相手がお返ししなきゃと思わない程度のもの」。そしてこみやげとは、「値段が重要ではないからこそ、(略)やさしさや思いやり。つまり想像力!」が必要とのことなのですが……。こみやげ上手なアイテムとは何なのでしょうか?

 まず最初が「『食いしん坊かつ食べ物にこだわりのある女性に』MOTHERのベジカレーフレーク¥1,350」。プロデュースしたのはモデルの東原亜希さん。こちらは動物性食品を一切使用しない体に優しい素材だけで作ったカレーらしく、そこらへんが選出対象らしいのですが、「東原亜希さんがプロデュースしたカレーだよ」と言われて、どんな反応をすればよいか、ちょっと想像がつきません。「ちょっと苦手なあの女に」にしといた方がよかったのでは? と思わずにいられません。

 もう1つ気になったのは、「『体に気をつかっている、または鍛えている素敵な男性へ』アチェトゥムのバルサミコ酢¥600」。選出理由は、「男性は甘いものが好きかどうかわからない」かららしいのですが、そもそも男性=酸っぱいものは好きというイメージもないし、ヘタすると甘いものが苦手な人より、酸っぱいものが苦手な人の方が多い気もします。「グリルやサラダにかけたり」ともありますが、だったらピエトロあげときゃOK! 結果、「オシャレに思われたい!」という気持ちが強すぎるからなのか、いまいちこみやげに必要な「やさしさや思いやり」が感じられない特集でした。

 というわけで、今月号の「BAILA」には、「みんなと同じ服だけど、違ってると思われたい!」「コジャレたお店を知っていると思われたい!」といったPMS特有の「どうしよもなく自我を押し通したい!」強い気持ちがひしひしと感じられました。せっかく努力をしているのに、このままだと、ただの自己中心的な人と思われて終わってしまいそう。思うにバイラーズは、パッと見華やかな「AneCan」(小学館)女子や、バリバリ仕事のできる「Oggi」(同)女子の間に挟まれて、「私は地味なんだ」とくすぶった思いを抱えているのではないでしょうか。自我を大爆発させてしまう要因はここらへんにあるのでは? と感じます。自分を良く見せたくて空回りしてしまうことは誰しもよくありますが、いっそのこと「誰も私なんか注目してない」を合言葉に、足元は「ホーキンスの健康サンダル」、そしてこみやげは「コージーコーナーのシュークリーム」で決めてみてはいかがでしょう。案外その「抜け感」がオシャレかもしれませんよ!?
(ルイーズ真梨子)

手作りのティッシュカバーをこみやげにする我の強さも見たい!

しぃちゃん

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