『なんかおもしろいマンガ』あります ~女子マンガ月報~【年末年始編】

代表的マンガランキング『このマンガがすごい!2015』、順位より大事な“読み解き方”

女子マンガ研究家の小田真琴です。太洋社の「コミック発売予定一覧」によりますと、たとえば2014年11月には1058点ものマンガが刊行されています。その中から一般読者が「なんかおもしろいマンガ」を探し当てるのは至難のワザ。この記事があなたの「なんかおもしろいマンガ」探しの一助になれば幸いであります。今回は年末年始の特別編です。

【話題】『このマンガがすごい!』の楽しみは順位のみにあらず

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『このマンガがすごい! 2015』(宝島社)

 各種ランキングでにぎわう季節がやってまいりました。マンガにおいてはやはり『このマンガがすごい! 2015』(宝島社)が代表的なランキングであるといえましょう。14年も良い作品が並んだなあ、とは思うのですが、ひとつ気になることがありました。13年の「オンナ編」ベスト3が1作もランクインしていないのです。気になってここ数年のベスト3の、その後のランキングを調べてみました。

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『このマンガがすごい!』「オンナ編」ベスト3作品のその後のランク

 意外なことにベスト3に入った翌年には大半の作品がランク外へと消えてしまうのでした。2012年以降も2年間に渡ってベスト30入りした『昭和元禄落語心中』(講談社)は異例中の異例であると言えます。再ランクインした『きょうは会社休みます。』(集英社)はドラマ化効果でしょう。

 原因はいくつか考えられると思います。第一に、投票する側の気持ちからすると、前年の上位の作品に投票するのはなかなか勇気のいる行為です。「こいつ新作読んでねえのかよ」と思われたりしてしまうからです(自意識過剰)。第二に、こうしたランキングものは、普段マンガをあまり読まない人にマンガを読んでもらうまたとないチャンスです。その宣伝効果を考えると、すでに一定数に知れ渡った作品よりも、新たな作品をオススメしたいと願う気持ちが投票者にはあります。あとは単純に新刊がつまらなかったという可能性もありますね(14年のオンナ編1位の作品はこれに該当しそうです)。

 そんな中にあって、新刊がことごとくコンスタントにランクインしている作品があります。吉田秋生先生の『海街diary』(小学館)です。初登場の08年で2位、10年で29位、11年では16位、12年では7位、去年は26位、そして今年は15位です。そしてもう1作品、東村アキコ先生の『かくかくしかじか』(集英社)も、一昨年5位、昨年5位、今年7位と、3年連続してベスト10入りを果たしました。

 2作品ともここ10年の少女マンガ界を代表する素晴らしい作品です。ほかにも田村由美先生『7SEEDS』(小学館)や末次由紀先生『ちはやふる』(講談社)あたりもよく見かけるように思いますが、継続してランクインしている長期連載作品にはやはり頭ひとつ抜けた創作物としての力があります。『かくかくしかじか』もそろそろ「マンガ大賞」を獲るかもしれませんね。

 順位とともに「誰が推しているのか」にもご注目いただきたいと思います。例えばオンナ編の12位にランクインした『ニーチェ先生 コンビニに、さとり世代の新人が舞い降りた』(KADOKAWA)。誰がこんな作品を推しているのだろうと目を皿にして調べてみたところ、「各界のマンガ好き」は誰1人としてこの作品を挙げていませんでした。ところが一方、書店員さんのみのランキングではこの作品が3位にランクインしているのです。獲得した48ポイント中45ポイントが書店員さんによる投票でした。つまりほぼ書店員さんの票だけでこの作品は12位に滑り込んだわけです。

 書店員さんは「読むプロ」ではなく「売るプロ」です。売る立場として考えれば、誰にでもわかりやすいフックのある作品を推すのは当然のことです。そうした事情も勘案したうえで、みなさんにはランキングを参照することをオススメします。

 わたしはわたしで、「各界のマンガ好き」のみなさんの投票結果をチェックしては「この人とは気が合いそうだ」などと想像するのが毎年の楽しみです。順位にばかり気をとられていたのではもったいない。『このマンガがすごい!』はさまざまな楽しみ方ができるおトクな1冊であるのです。

 毎年恒例の「THE BEST MANGA このマンガを読め!」特集が掲載されたサブカルチャー誌『フリースタイル』28(フリースタイル)も絶賛発売中。マンガマニア寄りの濃厚なランキングが特色ですが、今回はわたしの肌感覚にも近いランキングであったように感じました。併せてお楽しみください。

なんでもいろんな視点をもつことだね

しぃちゃん

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