[女性誌速攻レビュー]「Domani」3月号

「彼の特別な人でいたい」、内田恭子が「Domani」で息子へのうっとり愛を語る

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「Domani」3月号(小学館)

 今月号の「Domani」、まず注目したいのは「知花くららの”Pink、Pink、Pink…(はあと)”」のページです。春を感じさせるピンク色メインのコーディネートを知花が着こなしているのですが、なにやら柔らかなイメージを演出するために、写真に紗が掛かったように加工されています。そしてお馴染みのポエム風キャッチには「女性に生まれてきたことを感謝する瞬間が女にはある」と、もうこれでもかと「お決まり」を並べ立ててきます。春=ピンク=女が無条件で好きな色=柔らかいイメージって、すきっ歯にツマヨウジくわえたジジイが「飯おごったんだから、今夜いいだろ?」と言うぐらいのガチガチな固定観念ですよ。飯おごってもらったぐらいで体なんて許さないし、女だからってピンクが好きじゃないんです。別にピンクどうこうではなく、固定観念を疑いもしない「Domani」にびっくりしました。さらに、知花にピンクを着せる「Domani」、というのも腹痛起こしそうなほどの食べ合わせの悪さ。しょっぱなから不安な今月号ですが、はたして中身はいかに?

<トピック>
◎知花くららの”Pink、Pink、Pink…(はあと)”
◎35歳、『あなたの人生には、たった8枚の服があればいい!』
◎内田恭子の「東京カジュアル」Shopper

「上質」が「Domani」の命取りになる時代

 今月号の大特集は、「35歳、あなたの人生には、たった8枚の服があればいい!」です。早速リードを読んでみると、

「冬から春に向けてこれからの着こなしを考えるとき、一過性の流行に左右されるのはもうイヤ。(略)私たちは、過去2年間のDomaniをすべて見直し、真実のベーシックを徹底的に探究しました。するとそれは、たった8枚の服に集約されていることがわかったのです」

 と鼻息も荒め。そうか、人生にたった8枚の服しか必要ないということではなく、「冬から春」限定なんですね。ちなみに「寅カジ(寅さん的カジュアル)」とかかなり一過性の高いファッションを提案していたのも「Domani」ですが、あれは秋のファッションだったから治外法権なんですね。などど、みみっちいことで「Domani」さんをいじめてはいけませんよ、みなさん!

 そしてその8枚とは、トレンチコート、グレーパーカー、白シャツ、ツインニット、ブルーデニム、黒テーラージャケット、カーゴパンツ、黒タイトスカートのことなんですって。それらだけでコーディネートを完成させて、「きちんといい女系・ナナ」「こなれたいい女系・佳子」に着せているのですが、とちらも5日分、計10日分のコーディネートしか紹介されていません。ポジティブに考えれば、このローテーションを3回繰り返せば30日分のコーディネートが完成しますって! ちょっとばっかり、どのタイミングでクリーニングに出すのかを思慮深く計画する必要がありますけど。あと、ふいにデニムにビールをこぼしたりしたら、裸で会社に行く日が続きそうです……。

 この8枚のラインナップを見て、「ちょっと今年の厳冬にトレンチコートでは自分寒くて、ドラマ『南極大陸』のときの木村拓哉並みに鼻水凍りそうです」「会社にグレーパーカーとか、デニムというのは課長に怒られそうなんで……勘弁してください」とか小言を吐いてはいけませんてば、みなさん! 確かにこのシンプルすぎるコーディネートは、かなりの小物使いの達人orモデル並みスタイルを持っていないと成り立ちません。筆者のような超日本人的体型ですと、「あれ~なんでスーパーに行くような格好で会社に来た~?」と上司にネチネチ言われること間違いナシ!

 それよりも気になったのは、このベーシックコーデを推奨する「Domani」と世相とのかい離。コーデ紹介の後には、「いい女にとってトレンチコートとは?」とアイテムをひとつずつスタイリストに語らせているのですが、往々にしてスタイリストのみなさんはラインやカッティングがキレイなもの、ベーシックだからこそ上質なものを選ぶように進言しています。ところが今の10代~20代はファッションを楽しむ初期に、「Forever21」や「H&M」、「ZARA」などファストファッションを手軽に買える世代。安価で”それなり”のファッションをまとい、”それなり”のファッションで異性の関心を引いてきた世代。果たしてその世代が年齢を重ねたからといって、見た目はそれほど変わらないアイテムに10倍以上の値段を払えるようになるのでしょうか。「Domani」が標榜する現在の「35歳」だからこの企画が成り立つものの、今の30歳だって「上質な」アイテムを買うのかは分からない。「Domani」が頑張って奇をてらうような企画を連発するのも、「Domani」的世界を共有する読者が年々減少していることへの最後の抵抗なのでは? と訝しんでしまいました。この先、雑誌として「Domani」はどの方向へ向かうのでしょうか。

■母親とはなんぞ?

 巻頭の連載「内田恭子の『東京カジュアル』Shopper」に戻ってみましょう。なんと、今月号で最終回ということです。今回はカルティエの腕時計がテーマ。内田はフジテレビ入社、結婚、出産と人生の節目ごとにカルティエの腕時計を買ってきたそうです。話は「母」にシフトしていき、

「息子をもち、最近とても思うのは、彼にとっていつまでもキレイな母でいたいということ。やはり息子であっても異性だからかしら」
「家にいるときでも最近はメークするようになりました(笑)。彼の特別な人でいたいのかなあ。度が過ぎないようにしなくちゃ(照)、と心を引き締める毎日です!」

 ということです。内田のうっとり度、決して生活というリアルな部分を出してはいけない芸能人の宿命を感じます。でもやっぱり、この発言は計算が見え隠れしすぎて赤くなるぐらいケツを掻きむしりました! そして、「Domani」読者には内田の姿勢がお気に召さなかったのか、来月から子どもを産んだばかりのモデル・SHIHOの連載が始まるそうです。今月は特別枠で参加しているSHIHOですが、実家・滋賀の田んぼの前で、大量のファーをあしらったコート姿で高級ベビーカーを引く彼女がどんな名言を残してくれるか、来月から楽しみで仕方がありません。

 今月号では「Domaniメイツの誌上女子会、スタート!」という読者参加型の読みものページがあったのですが、それを読んでも「Domani」読者のパーソナリティーがいまいち分かりませんでした。「夫が反論することを禁止している」と強い女を自己演出し合うだけのページを見せられても……。「ああ、久しぶりに会うけど、そういえばこの子はこんな感じだったわ~」と思い出させられるだけで、女子会はそうそう楽しいものじゃないということを露呈しただけのページになっていたような気がします……。
(小島かほり)

「Domani」

「女子会楽しい~」って騒ぐ人って友だちいないんだなって思う。

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