[女性誌速攻レビュー]「家庭画報」2月号

「いい子は所詮、どうでもいい子」高橋真麻が「家庭画報」で自信喪失

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「家庭画報」2012年2月号(世界文化
社)

 今月号の「家庭画報」の表紙に、「NIKKOの不思議」というタイトルがあったのですが、「IKKOの不思議」に空目してしまいました。あれだけ私生活を切り売りしている人にまだ不思議があったのかとうんざり気味でページをめくってみたら、日光東照宮のギンギラ装飾の写真が飛び込んできて、IKKOさんの過度な美意識と同じ熱量を感じ、自分の空目は間違っていなかったと妙に納得した次第です。ささっ、そんなわけで早速今月号の内容を拝見していきましょう!

<トピック>
◎NIKKOの不思議
◎日本が誇る「名宿」遺産
◎父と娘の肖像

■もっとほかにもいる、「誰ですかそれは?」な有名人

 今月号の大特集は「日本が誇る『名宿』遺産」です。今月号の「名宿」特集もそうですが、「家庭画報」は器やらヨーロッパ文化やら歌舞伎やら茶道やら地域の伝統芸能やら、男性が読んでも十分楽しめるラインナップが特徴です。巻末の方にある読者の手紙コーナーでも、「妻が買った家庭画報をふと手にしたときから、毎号楽しく読んでます」という内容の男性読者の意見もしばしば目にします。多分、編集部側もそれを意識しているのでしょう。昔の「ダカーポ」(マガジンハウス)、「おとなのOFF」(日経BP社)、「淡交」(淡交社)などをさらにグレードアップしつつ、興味のない人でも読めるように入口を大きくして紹介する。40代~80代のカルチャー雑誌という側面も持っているのです。

 それはそれでいいのですが、「家庭画報」における女度100%の企画=ファッションページももうちょっと増やしてほしいな~と思っていたら、今月号には「名宿を訪れる日の『お洒落の条件』」というページがありました。『紅白』でなんやら小難しい感想を述べて嵐と井上真央を困らせていた、日本画家の松井冬子さんとお母様がモデルだそうです。いいですね、「美人過ぎる日本画家」をモデルに使うとは「家庭画報」ならでは。ちなみに、世間ではご無沙汰な人や、「誰ですかそれは?」という人が「家庭画報」では超有名人ということはしばしば。今月号では、『女検事・霞夕子』でおなじみの女優・床嶋佳子が生き生きとしていました。だからといって、世間的に再ブレイクとならないのがこの雑誌。「家庭画報」は下界とは違う水が流れているのです。

 話がそれてしまいましたが、「名宿ファッション」はいろいろすごいですよ! まず松井母は着物で参戦。宿の楽しみといえばお風呂なのに、わざわざ脱ぐのも着るのもしまうのも大変な着物で来る、というのはステイタスなんでしょうか。松井冬子の洋服もコート53万円、ニット10万円、イヤリング47万円。別の日はギンギラシルバーの35万円のワンピースを着てらっしゃるのですが、その隣にいるお母様もキンキラキンのお着物を召しているので、完全に「銀座のクラブの慰安旅行」になっちゃってます。「もうちょっと抑えて~!」と誌面越しに注意したくなる気分。

 そんでもって、われらが林真理子先生が「名宿への装い―それは『ノーブレス・オブリージュ』という心意気」というエッセイを寄せていますが、さすがは先生、「an・an」(マガジンハウス)などとは文体を変えて、媒体ごとへの書きわけに成功しています。が、先生のアイデンティティーである「軽薄さ」は変わらず、というより金粉をまとった「軽薄さ」になっていて、賞賛すべき内容です。

 先生曰く「ノーブレス・オブリージュ」とは、「高貴な人には、そう振る舞う義務がある」という意味だそうです。高級ホテルや名宿に行くと、くだけていても品のある格好をした人が多い。だから、いつもジーパンで来る女友達をたしなめたことがある、という話が前半。で、名宿などでの気遣いについては、

「まず考えるのは、和の建築への敬意である。それさえあれば、たいていのことは大丈夫。よく磨かれた廊下や畳の上を、裸足で歩かない。たとえ夫婦でも部屋の上座、下座を考える。浴衣でうろつくのは最小限にする」

 だそう。まあ……裸足では歩きませんよね。でもこの短い文章の中で、別に新しい価値観もなく、だからといって空虚でもなく、肩肘張らずに読めるものを書いているという技ができるのは真理子先生だけ! 重厚な「家庭画報」のお墨付きを得た「軽薄さ」。もう軽いんだか、重いんだかわからなくなりましたが……。

■真麻、ガンバ!

 昨年までの連載「母と息子の肖像」が終わり、「父と娘の肖像」が今月号から始まりました。第1回のゲストは高橋英樹&真麻。真麻の愛すべきキャラクターは重々承知しているけど、なぜこの人選なんだ……と思いきや、読んでみるとやっぱりいい家族。取材対象外なのに、真麻母が同行しているというのがちょっぴり怖いけど、両親の仲が良く、それを見ているうちに結婚相手へのハードルが上がると嘆く真麻。

「男性からも真麻はいい子って言われて、ただのいい子で終わっちゃう。でも、私に言わせれば、いい子は所詮、どうでもいい子なんです」

 と真麻が「サトウの切り餅」並みに頬を膨らませれば、

「いろんな人とつきあっていくうちに、ただのいい子がころっと恋愛対象に変わることがあるかもしれない」

 と桃太郎侍がフォローします。さすが、『桃太郎侍』から『ダウンタウンDX』まで自由自在に芸能界を泳いできた男は、フォローの幅も違います。ただ、欲を言えばもうちょっと深みのあるエピソードがほしかった。ただ仲がいい、ただ父が素晴らしいでは、共感できるところがありません。美空ひばりさんじゃないですが、人はお馬鹿でかわいいもののはず。もうちょっと人間味ある部分がほしかったのですが、そもそも日活&時代劇スターの家庭も浮世離れしているもの。どうほじくっても真麻の自信喪失が最大の見せ場だったということでしょうか。

 というわけで、今月の見せ場は真麻だった(?)「家庭画報」。来月号にはミポリンこと、中山美穂が登場するそうです。またしても直行便パリなのでしょうか。準女装旦那が間違って出てこないことを祈るばかりです。
(小島かほり)

「家庭画報」

上からマリコ、下からマリコ、軽薄マリコ

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