[女性誌速攻レビュー]「MORE」12月号

「MORE」娘がセックスしない理由は「面倒なわりに得るものがほぼない」!?

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「MORE」12月号(集英社)

 今月号の表紙は嵐です。二宮和也が連載を持ち、嵐としても半年に一度の割合で登場する、まさに「MORE」にとって欠かせないアイコン。「ときめき、笑顔、楽しい時間……etc。いつもたくさんの素敵なものを届けてくれる嵐から、MORE読者にスペシャルプレゼント」ということで、気合いの入ったBOOKinBOOK仕様です。ファンの皆様、どうぞ個々にお楽しみください。えっ? 内容ですか? 今回はテーマが「プレゼント」ということで、贈り物にまつわる個別のエピソード、仲良し感満載の集合インタビューという具合です。いやいや手抜きではございませんよ。もうそれぞれのメンバーのパブリックイメージとインタビュー内容が完全に一致ですので、筆者から申し上げることは何も……。二宮さんは脚本家の倉本聰さんを「聰ちゃん」って呼ぶとか、大野さんは「大野さん」と呼ばれるより「おーちゃん」って呼ばれたい派とか、そのくらいでしょうか。でもそんなことも熱心なファンならご存知でしょうしねぇ。先月の木村拓哉さんの”振り返るときはバックミラーを見る時だけ事件”が強烈過ぎたとも言えますが、何はともあれ「嵐」と「MORE」の蜜月だけはしかと心に刻みつけ、今月のラインナップに参りましょう。

<トピックス>
◎嵐 ありがとう、のカタチ。
◎ビューティー選抜30人の「ポーチの中身」、撮った!
◎「セックスが面倒くさい」はいけないこと?

■毎回思う「誰得?」企画

 女性ファッション誌で時折見かける「美女のカバンの中身はコレだ」的な企画。筆者は読む度に「この人のカバンの中身を知ってどうするのか……」と思っていたわけですが、今月の「ビューティー選抜30人の『ポーチの中身』、撮った!」を見て、ますますこの手の企画の意図がつかめなくなりました。「各界の美容通から隣の働く美女まで勢ぞろい!」という謳い文句にも何やら不穏な匂い。

 「美のプロ、女優、アスリート、歌手」によって構成された「スター編」の冒頭に登場するのが、AKB48の渡辺麻友、ヘアメイクの濱田マサル、紗栄子、荒川静香なんですよ。まゆゆがくまちゃん柄のポーチを使っていてそれが「なっちゃん(AKB48の平嶋夏海)のプレゼント」だとか、荒川静香がつけまつ毛をアイプチで装着しているとか、本当にいらない情報がいっぱい。紗栄子と濱田マサルにいたっては自身のプロデュースする商品の宣伝に余念がありません。

 しかし本当に恐ろしいのは次のページでした。安田美沙子、益若つばさ、ブランチレポーターの鈴木あきえ、「SUPER☆GiRLS」の荒井玲良、きゃりーぱみゅぱみゅ、お天気おねえさんの森田美位子、住谷杏奈。「スター編」登場美女をとりあえず全員挙げてみましたが、察しのいい読者の方ならもうお分かりでしょう。そう、いないんです。「スター編」なのに「スター」がいない。アラサー女子が「SUPER☆GiRLS」やきゃりーぱみゅぱみゅのポーチの中身から何を学ぶのでしょうか。住谷杏奈(レイザーラモンHG妻)の「どんなに忙しくても美容時間は別腹です♪」は世界一どうでもいい戯言です。益若つばさに至っては全アイテムが自社商品じゃないですか……。

 結局、最も実用的だったのは「働くモアガールズ編」のポーチの中身というオチでした。女の化粧ポーチには「自意識」という名の魔物が棲むということが痛いくらい分かりました。

■セックスに関して深く考えるのは止めましょう

 今月は「MORE」にしては珍しくふんわり掴みどころのないページが続きます。巻末の「『セックスが面倒くさい』はいけないこと?」に一縷の望みをつなげましょう。「an・an」(マガジンハウス)が先導する”彼に愛されるためのセックス”へのアンチテーゼでしょうか。「MORE」娘たちの赤裸々な本音が並びます。

「毎日、仕事が忙しいから、セックスなんかしたくない!」
「いつも感じている演技をしなきゃいけないのがつらい」
「前戯だけならいいけど、セックスはしたくない」
「フェラチオするのが気持ち悪い」
「彼が遅漏。長時間するのは疲れるからイヤ」
「面倒なわりに得るものがほとんどない」

 何も知らない男性たちが聞いたらEDになりそうな強烈な内容。なんでも「MORE」世代女子の64.3%が「セックスが面倒くさい」と思ったことがあるそうです。

 次ページではどうして「セックスが面倒くさい」と思ってしまうのか、その真相を専門家や男子にヒアリング。相変わらず専門家のセンセイ方は「MORE世代は思春期に携帯電話やSNSを利用し始めた世代。(中略)自分が実際に経験していない”クチコミ情報”ばかりが増え、耳年増になってしまう傾向があります。その結果、セックスも空気を読まなければいけない対象となり、どんどん面倒くさくなってしまったのでは」「セックスや恋愛の重要性を認識する機会さえあれば、みんなの考え方は変化するはず」などと、トンチンカンなことを言っています。どうしてすぐ”ネット依存による若者のコミュニケーション不全”的な方向に持っていきたがるのでしょうか。

 一方で20代男子の覆面座談会。「『ムダ毛の処理をしていないからイヤ』と言われたことはある。でもその恥じらいがかわいかったりするんですけどね」「興奮するから『演技でもいいから気持ちよさそうにして』と頼んでいる」などなど。そんな状態にも関わらず「なんだかんだ言って、女の子だってセックスが好きなはず。本気で面倒臭がることは、あまりないのでは」とあっけらかん。いやいや、だから女は「セックスが好き」なんじゃなくて、「気持ちいいセックスが好き」なわけで……男女の溝の深まりを実感せざるを得ません。

 反対に「私たちは、こうしてセックスが楽しくなった!」では、アクティブにセックスを楽しんでいるイケてるカップルのおすすめアイデアが並びます。友達の家で、会社で、車でなど”非日常空間”で楽しむ派の方々、ストッキング破いたり、道具を駆使したり、コスプレしたりで盛り上げる方々など。「AVを観たり、雑誌やネットから情報を集め、セックスのテクニックを研究しています。これも女性のたしなみと思って、月に2回は”研究の日”を設けています(26歳・証券)」と、真面目に取り組んでしまうのも、この世代の性なのでしょうか……。

 20代後半の女性は仕事での軋轢、結婚へのプレッシャーなど「のほほん」とセックスを楽しめない状況にあるだけで、30、40歳になれば抑えきれない欲望がドドドと押し寄せて「婦人公論」(中央公論社)的濃厚エロスの世界へと導かれるようになっちゃいますよ。この道はいつか来た道。「下着が上下揃ってないからエッチできな~い」なぁんて言ってた乙女が、いつか「上下揃うのなんざぁ水道だけで十分」と開き直る時が来ます。今のうちは男性たちの間違ったセックス流儀を適当に受け流しながら、本物のエロに目覚めるその時を待ちましょう。ちなみに筆者、エブリデイ、ユニクロスポーツブラですよ!
(西澤千央)

「MORE」

嵐効果で早くも品薄

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