[女性誌速攻レビュー]「HERS」8月号

コンサバでモテてきた「HERS」世代、いよいよその呪縛から解き放たれる?

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「HERS」(光文社)9月号

 実業家で内縁の夫である佐々木力氏に先立たれた、「HERS」のメーンモデルを務める萬田久子さん。佐々木氏が体調を崩してから、1カ月余りで亡くなったとのことで、悲しみも深いことでしょう。でも「HERS」の読者には、実際にはすでにパートナーに先立たれている人も多いのかもしれません。それでも、自分らしく、有意義に生きて行きたい……そんな「HERS」の誌面に、萬田さんの笑顔が戻って来ることを願ってやみません。

<トピック>
◎賀来千香子さん、ワードローブを考え直す
◎「書きかけの履歴書」
◎山田美保子の「世間が気になる」

■コンサバはコンサバでしか解き放てない

 最近のアラフォー、アラフィフの雑誌を見ていると、大人とは何なのか、女子という言葉はいつまで使っていいものかという問題を突き付けられることが多いものですが、今月の「HERS」でも「大人」に関して衝撃の一文がありました。

 それは、賀来千香子さんのページ。「いつもはパンツスタイルが多い私ですが、もう大人ですからね(笑)、たまにはきちんとした感じのエレガントな服を着たいと思います」と語っておられます。もちろん、(笑)がついているので、十分自虐的な意味合いも込められているとは思うのですが。

 この特集で賀来さんは「顔立ちのせいかコンサバすぎると老けてしまう」「決して若く見せたいわけじゃないけど、少しだけ弾けていたい」とも漏らしています。そういえば、以前何かで読んだことがありますが、女性は自分の全盛期、つまり一番モテてちやほやされた頃の格好や化粧を生涯引きずってしまうそうです。だから、ハマトラが全盛時代の人は、片山さつき参議院議員のように、いつでも髪にレイヤーが緩くかかっているし、コンサバブームが全盛時代の人は、今でもコンサバを捨てきれない。どんなにカジュアルが流行っても、どんなに「コンサバだと老けて見える」と分かっていても、光文社の雑誌がコンサバの特集をやめられないのは、コンサバ全盛時代にブイブイいわせた人の不安やとまどいは、コンサバでしか癒やせないからではないでしょうか。

 現に、以前『たけしのニッポンのミカタ!』(テレビ東京系)という番組でも、アラフィフと思しき女性たちが、コンサバやボディコンの呪縛から抜けられない問題について特集していました。ところが、若いころと同じ服を着ていれば時間が止められると信じて疑わない人に、いまどきのカジュアル服を着せた途端、周囲から以前より若く見えると評価されていました。その番組によると、実は若さに一番必要なことは、「違和感を与えないこと」だそうです。無理して若い服を着ている……と思わせないことが若さへの近道だったとは。皮肉なもんです。

 でも、アラフィフにとってコンサバとは、「ライナスの毛布」のようなもの。コンサバを身につけているだけで安心できるお守りやパワーストーンのようにもなっています。光文社の女性誌は、そんなコンサバ信仰の深い読者の気持ちを察して、コンサバの特集をあえて続けているのでしょう。その一方で、コンサバ呪縛を「カジュアル」や「個性的」という言葉で少しずつ解き放ち、本当の若さへと導いてあげようという面もあるのかも。

 そんな風にコンサバの呪縛を少しだけ解き放ってでき上がった賀来さんのコーディネートは、確かに、コンサバでも人に「違和感」を与えないものになっていて、見ているこちらも、どこかほっとした気持ちになれました。

■お幸せだからこそかわいい「HERS」の女性たち

 バブルという華やかな時代を一度も謳歌したことのない人々にとっては想像もつかないことですが、「HERS」世代に生活や自分の価値を下げろというのは、無理なことかもしれません。日本という国があれほど上昇している時代は、先にも後にもないかもしれないので、彼女たちだけは幸せな気分を死ぬまで満喫して欲しいと思う気持ちもあります。「幸せ」な話は、聞いている方もそれなりに楽しいものですし。「書きかけの履歴書」の南美希子さんのインタビューを読んでもそんな気持ちになりました。

 南さんは「60代になって、必要を感じたら顔にメスを入れることもやぶさかではない」「最後まで満足のいく人生を送りたい」「”若さ”と”キレイ”を保つことは、私にとっていわば使命なんです」「私にとっての50代は”真昼の12時”。それも頭の上で太陽がさんさんと輝いている真昼の正午のイメージです」と、想像すらしてなかったレベルで、まだまだいける感どころか、今が最高感を語っています。

 太陽が自分の真上でさんさんと輝いているなんて、20代でも思ったことないよ! という私からするとびっくりですが、でもこれが、この世代がいつまでも無邪気でいられるゆえんでしょう。そして、ここまで天真爛漫だと、なんだか「かわいいな」と思わずにいられません。それにしても、「使命」って誰から仰せつかったんでしょう……。

 さて、そんなギラギラしたページもあるかと思えば、山田美保子の連載「世間が気になる」では、雑誌「GOSSIPS」(トランスメディア)の大柳葵理絵編集長(33歳)を迎えて、けっこう面白いカルチャーギャップを見せてくれました。

 対談の中で、最近の若い子は「誰かに取られたとか、負けたとか……陰湿な話は好きじゃないです」と大柳さんが言うと、山田さんは「私は嫌いじゃないけど(笑)」「これがゴシップ世代間格差かしら」とわが身を素直に振り返ります。その上、大柳さんに「50代女性たちはどう映っていますか?」「本音を言っていいのよ。ずっとイケてると思いつづけてる、私も含めて勘違いが多い人なのよ」と促すと、大柳さんは、「勘違いは……ある意味すごい」と前置きしながらも、マドンナが50代になってレオタード姿でパフォーマンスしたことに、当初はドン引きしたものの、その姿がトレンドとなってレディー・ガガに引き継がれたことで見直したと、50代女性を持ち上げます。これにすっかり気をよくした山田さん、「マドンナの話なのにまた勘違いしたらどうしよう(笑)」とあくまでも、お幸せ感たっぷりで切り返す姿がこれまたかわいらしかったです。

 このイヤミのないポジティブシンキングは、「HERS」世代でなくても取り入れたいと思うのですが、いかんせんバブル崩壊後の恵まれない時代を生きてきただけに、ひがみ根性の方が勝ってしまいます。一朝一夕(少なくともバブルを超えないと)では、こんな芸当は無理だと思うと、余計に「HERS」世代が今も太陽の下でギラギラ輝いている気がしてくるのでした。
(芦沢芳子)

「HERS」

賀来さんの場合、冬彦さんに追われているころは20代だったという驚き

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