[女性誌速攻レビュー]「CLASSY.」7月号

「今じゃない」人の救済雑誌「CLASSY.」が提案する、「幸せになれる服」って?

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「CLASSY.」7月号(光文社)

「もちろん、服だけで幸せにはなれません。服はどこまでいっても服でしかありませんから。でも、新しく買ったシャツに袖を通すとき、週末のデートに着ていく服を選んでいるとき、あなたはハッピーオーラに包まれているはず。服にこめる気持ちこそ、幸せの源なのです。この夏、自分はもちろん、まわりもハッピーになれるオシャレをご紹介します!」

 と、けん制&開き直りから始まった今月号の「CLASSY.」(光文社)の「着るだけで『幸せになれる』服」特集。なんでしょう、このデジャヴ。「Can流」をゴリ押しし始めたころの「CanCam」(小学館)にそっくりです。確かに、「おしゃP」やら「おすピー」やら「山P」やらうるさい姉妹誌「JJ」(光文社)よりも(あれ? オカマの双子がよぎったわ)、「かわいい=HAPPY」って言ってる「CanCam」読者の方が同誌卒業後、「CLASSY.」の顧客になりそうですもんね。「CanCam」読者がいつでも「CLASSY.」に上がってこれるよう、今月もドリーミー企画がめじろ押しですよ!

<トピック>
◎着るだけで「幸せになれる」服
◎一枚の服から始まる妄想LOVEストーリー
◎ドレスコードありきの女子会のススメ

■「今じゃない」っていう人のための雑誌です

 さて「幸せになれる服」特集ですが、「CLASSY.」が言うところの「幸せになれる服」というのは何なのかといえば、「大胆な肌見せなのに爽やかに見えるヘルシーさ」だの、「笑顔が絶えない明るいコはオレンジが似合う!」だの、「元気がもらえるアクティブなコはボーイッシュなのにキレイ」だの、W浅野が活躍していたころと同じこと言ってませんか? 元気=オレンジって、巨人=オレンジぐらいの歴史を持ってますよね。

 そんでもって、ビックリなのが「幸せの歌には幸せの服がよく似合う」というページ。ゆずの「夏色」、aikoの「花火」、ドリカムの「あなたにサラダ」などの歌詞を一部or全部掲載した上で、イメージコーディネートを紹介しております。いや、全部いい曲ですよ? 名曲ですよ? でも「今」じゃない選曲。

 でも「今じゃない」人たちを受け止める雑誌が「CLASSY.」だと思えば、すべては解決するんです。それが如実に表れているのが、「一枚の服から始まる妄想LOVEストーリー」です。いつもコンサバな服ばかり着ている女性が、会社のBBQで”ゆるカジュアルシャツ”を着ていくと、そのギャップに先輩男性が「今度の週末は二人で海にでも行かない?」とささやく。また、彼の男友達に紹介されるときに”程よい肌見せアイテム”を着て行けば、男友達が軽く欲情、それに優越感を抱いたカレが「オレたちそろそろ結婚しよっか」となるそうです。

 ギャップで彼氏ができたらパワースポットに誰も並ばないし、肌見せで結婚できたら婚活サイトはビジネスとして成り立たないでしょう。でも、きっと「CLASSY.」信者はこういうお花畑ストーリー(田中義剛ではない)に対して、「いや~だ~、私たちだってこれはないって分かってますよ~」と言いつつ、心のどこかでうっとりしてるはず。本気でイヤだったら、夢見る要素を一切排した雑誌を買うでしょう。

 遠い昔、新社会人として一番初めの会社に入った私が、バブルの残り香を漂わす先輩に対して、「先輩って、”今”って感じしませんよね~」と言って給湯室で1時間説教された後に、社内で一番美人でセンスのある先輩に「いろんな人がいるから会社なの。ああいう人も必要なの」と言われたことを思い出しました。今という時代に乗れずに、「かわいい女の子」の残像を追い求められる「CLASSY.」の存在意義を感じました。

■女子会が内包する不幸

 もう一つ、今月のドリーミー企画としてご紹介したいのは、「ドレスコードありきの女子会のススメ」。「シンプル系」「いい女系」「流行敏感系」「可愛い系」と4タイプの女性をモデルに、「テラスでランチ、ドレスコードはリゾート」「バーで夜遊び、ドレスコードはキラキラ」「流行レストランでディナー、ドレスコードはブラック」と、気張ったコーディネートを紹介しています。

 写真の構図も、メークの感じも、キャラクター分けも『Sex and the City』を意識したような仕上がりになっているのに、受け取る側にこれほどの違和感を感じさせるページはないのでは。違和感の正体を考えてみると、「やる側の意識と、受け取る側の視線の温度差」にたどり着きます。女子会が市民権を得て、今は「女子を審査する女子会」「ドレスコードがある女子会」など、微妙に形を変えながら発展していってるようです。基本的には「着飾って華やかな夜を過ごしたい」という思いが原点なんでしょうが、「アタシたち、周りにどう思われてもいいんです」って気張りすぎた服を着て、ドヤ顔で闊歩されても、受け取る側としては「そんな土壌がなかったのに、突然そんな……」と困惑するしかないじゃないですか。アメリカ人がもつカラッとした空気をマネしたところで、結局は日本人特有の湿度高めの視線を浴びるという不幸を目にし、深澤真紀さんの「日本人で、女であることは苦しい」という言葉を思い出すのでした。なので、「ドレスコードありきの女子会」というのは、妄想のタネとして活用し、読んで完結するというのが一番幸せな形なのでは、と老婆心ながら思ったわけです。

 今月は「幸せになれる服」特集だったはずなのに、読み終わるころには「女として生きる重さ」みたいなものを感じ取って、ちっとも幸せな気分になれませんでした。いや、完全に私の深読みのせいなんですけどね! そんでもって来月号の特集は「夏よ、恋!」!! だから、そのギャグセンスも「今じゃない」ってば!!
(小島かほり)

「CLASSY.」

変わらないことを変わったように見せるのが、女性誌だからね~

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