混迷する女性誌市場を、武蔵大学のネコタロウ教授が斬る!

「CanCam」の没落後に首位をとった、09年のベスト女性ファッション誌は?

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ネコタロウ先生こと、栗田宣義教授

 「Cawaii!」(主婦の友社)、「マリ・クレール」(アシェット婦人画報社)、「PINKY」(集英社)などが休刊する一方、「Sweet」や宝島社のブランドムックがバカ売れするなど、売上部数には大きな格差が生じた2009年の女性ファッション誌。そんな1年を、女性ファッション誌を研究して早20年、金髪にアロハシャツ姿で武蔵大学社会学部のキャンパスを闊歩するネコタロウ先生こと、栗田宣義教授に振り返って頂きました。ネコタロウ先生が選ぶ、「2009年の女性誌BEST5」とは?


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■第5位「PINKY」(集英社)
 2009年のファッション誌業界を騒がせた突然の「休刊」告知。ところが、その途端、爆発的に売れた「PINKY」がランクイン。

【ネコタロウ先生はこう見る】
 休刊にはなったものの、30万部売れた実績もある優良誌。読者ターゲットがボリュームゾーンである20歳前後の大学生、OLから外れると大ヒットは望めません。集英社では「non-no」「MORE」は類似のカジュアル系姉妹誌ですが、「PINKY」には類似系統の姉妹誌がないので、上下にわたる読者層開発にも限界があります。そこで見切りをつけられたのでしょうか。

 でも表紙の作り方が実にいいのです。人気モデルを複数名並べる構図は、絵的な美しさに加えて、コーディネートの良い参考になるから嬉しいですね。休刊前の駆け込み需要で、売り切れを続出させた点も注目に値するでしょう。光文社の「JJ bis」のように、形を変えた復刊もあり得るかもしれません。

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■第4位「ニコ☆プチ」(新潮社)
 女性ファッション誌の動向で、2009年に特に顕著だったのが年齢層の拡大。とりわけ、低年齢化が見逃せない現象の1つ。小学校高学年向けの「ニコ☆プチ」別冊付録に、何と小学校低学年とその親を対象とした「ニコ☆プチKIDS」が登場!

【ネコタロウ先生はこう見る】
 女性ファッション誌にとっては読者ターゲットの拡大が肝心。年齢層は上にも下にも広がっています。「nicola」は老舗文芸出版社である新潮社が初めて手がけたファッション誌です。ターゲット年齢をあえてローティーンに定め、成功しました。その妹版「ニコ☆プチ」がヒットし、別冊付録扱いですが、さらに「ニコ☆プチKIDS」もスタートさせました。

 ファッション誌は名目上のターゲットより、少し下の年齢層が憧れ的な目で読むことが多いのですね。だから「nicola」なら小学校高学年、「ニコ☆プチ」は小学校低学年、「ニコ☆プチKIDS」は……と考えていくと女性ファッション誌の年齢下限はさらに下がるかもしれません。

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■第3位「In Red」(宝島社)
 「女子力」「○○女子」という言葉は、2009年ファッション界の流行語的存在。「女子力」をいち早く取り入れたファッション誌であり、未だにその言葉を象徴する存在であるのが「In Red」。

【ネコタロウ先生はこう見る】
 「女子力」は2008年あたりから使われ始めていましたが、今年見事に定着しましたね。「女性はいくつになっても女子」というのは、ファッション誌全般に通じるコンセプトでしょう。コスチューム、コスメ、ヘアメイクなど、いかに美しく見えるか勝負していくのが「女子力」。

 宝島社の付録戦略は革命的です。付録が本体とも言えます。他の出版社からは「付録で読者を釣っている」と揶揄されていますが、宝島社が狙っていることの本当の意味を、他社まだ気付いていないのかもしれませんね。

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■第2位「PS」(小学館)
 モンスター的な売上を誇った「CanCam」ですが、ポスト「CanCam」の立ち位置を期待されるファッション誌として、ネコタロウ先生が挙げたのは、同じ小学館の「PS」。

【ネコタロウ先生はこう見る】
 「CanCam」がかつての勢いを失った今、浮上してくる存在が「PS」です。赤文字系(お姉系)とストリート系のファッション誌は、実は共通するアイテムが結構あって、誌面での見せ方が違うだけなのです。たとえてみれば、カレーとシチューのような関係。「PS」はストリート系のファッション誌の中で最も格調高い作りであり、ストリート系の理想型なのです。「PS」は、これから大いに期待を集めるファッション誌だと言えるでしょう。

 「CanCam」のお姉さん版「AneCam」も健闘していますが、ジュエリーやアクセサリーをはじめとして高級路線に走りすぎたかも。ファッション誌に掲載されているアイテムは、たとえ買えなくても憧れとして見る傾向もかつてはありました。しかしながら、この不況下では「PS」のリアリティティー路線の方が読者に支持されやすいでしょう。

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■第1位「ViVi」(講談社)
 売上部数で「CanCam」を抜き、実質トップファッション誌となった「ViVi」がやはり1位に輝きました!

【ネコタロウ先生はこう見る】
 「ViVi」は「静かなる革命」の担い手です。トレンドフォローが上手で、ホームランが少ない時でも、着実にヒットを積み重ねてゆくイチローのような存在です。しかも、「ViVi」は赤文字系(お姉系)ファッション誌のなかでもギャル系に近い立ち位置なので、「egg」(大洋図書)や「popteen」(角川春樹事務所)を卒業した後に読むのが「ViVi」なのです。そこから、「JJ」に代表されるお嬢様系に深化するか、大人ギャルに回帰するか、「交差点」のような独特かつ有利な役割を果たしています。これからもしばらく敵はいないでしょう。

 「CanCam」と異なるのはモデル戦略でしょうか。「CanCam」は、専属で育ててきた、編集部のイメージする理想に当てはまる優等生的なモデルさんが多い。「ViVi」にはギャルの香りのするモデルもいるし、特に枠を設けない強みがあるのです。今年「森ガール」というファッション傾向が注目されましたが、あれはネットのウェブサイト上から出てきたもので、大手や著名ブランドからすると予想外のものです。今後もそういう意外な流行が頻繁に生まれてくるでしょうが、それらは優等生モデルだと対応が難しいのです。「ViVi」ならば不確実な時代も切り抜けられる、と思わせる静かな強さは2009年の1位にふさわしいでしょう。

 なるほど! 不況で混沌とした時代を反映するかのようなランキングです。では、来年はどうなるのでしょうか!?

【ネコタロウ先生はこう見る】
 ランキングには挙げなかったけど、昨年に続き、今年躍進したファッション誌に「小悪魔ageha」(インフォレスト)がありますね。今の時代の流行には、新しさに加えて「あやしさ」が必要。正統派の最大公約数だけでは、この時代は生き残れません。またブログやケータイウェブサイトなどネットとの連携もこれからますます重要になってゆくでしょう。

『雑誌タイトルコピー大全 女性誌編』

コピーは女性誌の命です。

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