2023年のベスト3

【2023年】プロが選ぶ調味料ベスト3! 800円以下、ピリ辛でクセになる「ぽん酢」

2023/12/10 18:00
MICHIKO(調味料ソムリエ)
(C)GettyImages

 全国各地の知る人ぞ知る“ご当地調味料”やメーカーいちおしの調味料を発掘する「調味料選手権」。その審査員長で調味料ソムリエ・野菜ソムリエのMICHIKOさんに、今年の「ベスト調味料ベスト3」を聞きました。

 暑かった夏、秋はあっという間に過ぎ、気づけば、もう師走!

 アフターコロナの中で新しい調味料は目白押しでした。その中で、今年は目新しいものより、昔ながらの伝統調味料に、ちょっと新しいエッセンスを加えたものが多かったですね。そして、少し前に新感覚調味料として登場した生こしょうは、生活に根付き、“新しい胡椒ワールド”を楽しんでいる人が増えています。

皆さんも美味しく召し上がってください。

2023年のベスト調味料

「横浜純正黒胡麻油」 140g 907円(税込)
岩井の胡麻油株式会社(神奈川県)

「横浜純正黒胡麻油」140g 907円(税込)

 「生使い=On Oil」や「チョイがけ」には、おいしい胡麻油が決め手! 「横浜純正黒胡麻油」は、オリーブオイルのように生で使うのがおすすめです。

 横浜で胡麻油一筋、創業1857年の老舗が伝統製法で作る黒胡麻油。普通の胡麻油は白胡麻から作られますが、こちらは黒胡麻を使っています。黒胡麻は、漢方では若返りの効果や活力増強効果があるとか。質のよい黒胡麻の種子のみを原料に、強めに焙煎した後、化学的処理を一切しない圧搾法で搾油した一番絞りの「純正黒胡麻油」です。

 黒胡麻油ならではの深い香りとコク、そのまま飲めるほどサラリとした後味、ツヤのある鮮やかな色合いが料理映えします。料理の味付けにそのまま使ったり、出来上がった料理にチョイがけも。横浜開港150周年を祝う記念品として、工場から見える横浜の風景をラベルにして発売された商品です。

オススメの食べ方:ナムルがワンランクアップ!

 オリーブオイルのように生で使うのがおすすめ。サラダや納豆や冷奴、お味噌汁やラーメン、おかずにチョイがけしたり、醤油と酢を加えれば中華風ドレッシングや焼肉のたれ作りに、餃子やハンバーグの隠し味にもなり、炒めものに使えば香ばしい香りが長く続くので、風味付けにも。はやりのナムルもこれがあれば、ワンランクアップ! おすすめはアイスクリームにそのままかけて!

「下味革命 もろみのチカラ」 300ml 606円(税込)
九重味淋株式会社(愛知県)

「下味革命 もろみのチカラ」300ml 606円(税込み)

 老舗みりん屋が作る、漬けるだけで本格的な料理になる「下味革命 もろみのチカラ」!

 1772年創業、江戸時代から続くみりんメーカーが、みりんを造る過程でできる「もろみ」を応用して作った調味料です。もろみとは、蒸したもち米に米こうじとアルコールを混ぜて糖化・熟成が進んだもののことをいいます。みりんは料理のコクやうま味を引き出す調味料として使われていますが、もろみはみりんと同じ効果だけでなく、みりんにはない調理効果も期待できるんです。

 このもろみ調味料に浸けておくだけで、肉や魚の臭みが消えてやわらかくなり、味もよく染み込み、テリやツヤをだしてくれるので、見た目も美しく、本格的な味わいに!

オススメの食べ方:鶏むね肉の照り焼き

 もろみ調味料に醤油や味噌、塩などを加えて、お肉やお魚の切り身などの好きな具材とジッパー付き保存袋などに漬け込んでおくだけで、おいしいおかずに。鶏むね肉の照り焼き、唐揚げ、豚の生姜焼き、西京焼き風焼き魚など。朝、出かける前に浸けて、夕食に焼くだけで味がしみています。漬けるのは数時間~ひと晩でもOK。塩麹のように使えて、みりんの持つまろやかさや旨みもアップしてくれる優れもの!

 煮物の味付けに、ほうれん草など野菜の和え物に加えるとコクがでますよ。

「赤ぽん酢」300ml 778円(税込)
キノエネ醬油株式会社(千葉県)

「赤ぽん酢」300ml 778円(税込)

 赤唐辛子と花ゆずを合わせたピリッと辛いクセになるぽん酢!

 創業1830年、伝統の中で培った技を生かし、育んできた蔵で作られた醤油を使ったぽん酢です。赤唐辛子の辛みの中に、花ゆずの風味と爽やかな果汁感を合わせた柚子こしょう風味。

 伊豆稲取の特産品「花ゆず」を使用。花ゆずは柚子の仲間ですが、香りと酸味は優しく、果汁がたっぷり入った柑橘です。赤唐辛子の辛みと花ゆずの爽やかさが食欲をそそり、辛みと酸味のバランスがよく、後味に広がる醤油のうま味と香りがなんとも言えない味わいを演出してくれています。

 見た目は赤唐辛子を連想する“赤”ですが、辛みはやさしく、食べれば体もポカポカ! 若手社員の開発チームが試行錯誤の末に生まれた商品で、ラベルは趣のある和と愛らしい、親しみやすいデザインに仕上がっています。

おすすめのポン酢:鍋のたれ

 ピリ辛のぽん酢として重宝します。鍋のたれとして、カツオのたたき、焼肉、ローストビーフ、ハンバーグ、焼き魚、餃子、野菜の和え物や蒸し物、みぞれ煮、ちぢみ、スープ等に。野菜や麺類等の素材に絶妙に絡み合います。湯豆腐やサラダうどん、炒め物の味付けに回しかければ、味に深みが加わりますよ。さまざまな料理に。

ベスト3から外れたけど、紹介したい!

「生胡椒の塩漬け」 25g瓶 1,070円(税込)
AKO株式会社 (広島県)

「生胡椒の塩漬け」25g瓶 1,070円(税込)

 たった数粒で料理がグレードアップする、生のまま塩漬けした胡椒!

 世界で一番おいしいといわれている胡椒の名産地“カンポット(カンボジア)”産です。気候とミネラル豊富な土壌に恵まれ、12月~3月にかけて収穫された胡椒を生の青い実のまま、手作業で丁寧にひと粒ひと粒を同じカンボジア産の天然塩でぜいたくに塩漬けにしています。

 その後、日本に空輸し、独自の最終加工にこだわり、生胡椒だからこそのフレッシュな香りと旨み、プチプチ食感、爽やかな辛味が楽しめ、食卓をぜいたくにしてくれます。希少価値の高い生胡椒の塩漬けです。寒い季節、胡椒に含まれるピぺリンが、体を温めてくれるのもうれしいですね。

おすすめの食べ方:卵かけご飯

 何といっても「卵かけご飯」がベストですが、その他、肉料理や乳製品との相性が良く、ステーキやカルパッチョ、パスタなどにトッピングしたり、生ハムやクリームチーズ、納豆やサラダチキン、ポテトサラダに、スープに刻んで入れると香りが立ち上ります。お酒のお供にも。

2024年に注目している調味料ジャンルは?

ご飯のお供系

手軽にご飯やパンなどの主食と一緒にのせるだけで食べられるもの。珍しい高価な食材よりも、身近な食材を使ったもので、リーズナブルなもの。食べる調味料やふりかけ等。

プチ贅沢系

ちょっと高価だけど、自分のご褒美として。特別なものでなく、日頃食べているものが少しだけグレードアップしたもの。

MICHIKO(調味料ソムリエ)

MICHIKO(調味料ソムリエ)

調味料ソムリエ、野菜ソムリエ、カレーマイスター。食養生士・料理研究家・調味料研究家。「調味料選手権」審査委員長を務める。『KinKi Kidsのブンブブーン』(フジテレビ系)『教えてもらう前と後』(TBS系)ほか、テレビ出演多数。

美楽流

最終更新:2023/12/10 18:00